1991 Fiscal Year Annual Research Report
モデル合成ペプチドを用いた平面膜法によるイオンチャネルの構造・活性相関の研究
Project/Area Number |
03671027
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安西 和紀 九州大学, 薬学部, 助手 (70128643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広野 修一 北里大学, 薬学部・, 助教授 (30146328)
青柳 東彦 九州大学, 理学部, 助教授 (80037267)
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Keywords | イオンチャネル / 合成ペプチド / Kチャネル / 平面膜法 / 二次構造 / 抗菌活性 |
Research Abstract |
電位依存性のイオンチャネルで一次構造が明らかにされているものには、Naチャネル、Caチャネル、Kチャネルがある。疎水性の評価から、どのチャネルも共通して、膜貫通部分が6ー8個からなるユニットの集合体として機能していると予想されている。このうちのNaチャネルとCaチャネルは、一分子中に4ユニットが含まれる巨大分子であるのに対して、Kチャネルは同一のユニットが4個集合してチャネルを形成していると予想されているので、モデル研究に適している。そこで、Kチャネルのイオン通過孔を形成していると予想されている部位(SS1ーSS2)の一次構造を有するポリペプチドを合成し、膜中におけるその高次構造を調べた。固相合成法により合成したポリペプチドは、高速液体クロマトグラフィ-により精製し、アミノ酸分析および質量分析により目的物であることを確認した。このポリペプチドをリポソ-ム中に入れてCDスペクトルをとり二次構造を予測した。典型的なαヘリックス,βシ-ト,ランダムの構造はとらず、構造を確定することは難しかった。溶液のイオン強度等を変えてさらに実験する予定である。 αヘリックスを形成する両親媒性ペプチドを合成し、膜に対する作用を平面膜法で調べたところ、イオンチャネル活性を示すことがわかった。このペプチドの構造をいろいろ変えてイオンチャネル活性を測定した。ペプチドの長さが、12、16、20、24残基の4種類の合成ペプチドを作り、それらの膜中での構造、抗菌活性、イオンチャネル活性を比較したところ、膜を貫通する長さを有する24残基のペプチドが最も活性が高かった。すなわち、ペプチドの長さが膜との相互作用において重要な因子であることが示唆された。
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[Publications] Kazunori ANZAI,Hitomi KADNONO,Mitsuyo HAMASUNA,Sannammu LEE,Haruhiko AOYAGI,Yutaka KIRINO: "Rormation of ion channels in planar lipid bilayer membranes by synthetic basic peptides" Biochim.Biophys.Acta. 1064. 256-266 (1991)
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[Publications] Yukio AGAWA,S.LEE,S.ONO,H.AOYAGI,M.OHNO,T.TANIGUCHI,K.ANZAI,Yutaka KIRINO: "Interaction with phospholipid bilayers,ion channel formation,and antimicrobial activity of basic amphipathic αーhelical model peptide having various chain length" J.Biol.Chem.266. 20218-20222 (1991)
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[Publications] 安西 和紀,桐野 豊: "骨格筋小胞体Caポンプの起電性:新しい実験法による研究の新展開" 実験医学.