1992 Fiscal Year Annual Research Report
生体高分子のポリアミン作用部位を探索するための方法論の開発
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03671029
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
鮫島 啓二郎 城西大学, 薬学部, 教授 (00072413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白幡 晶 城西大学, 薬学部, 助手 (50150107)
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Keywords | スペルミジン / ポリアミンアナログ / 標識誘導体 / スペルミジン合成酵素 / スペルミン合成酵素 / 活性部位構造 / HTC細胞 / 細胞の増殖 |
Research Abstract |
研究計画に記した課題1〜4について順に記す。 課題1:スペルミジン合成酵素の活性部位構造の解明に関する研究。本酵素蛋白のアミノ酸配列の決定については引き続き検討する。脱炭酸化S-アデノシルメチオニン(deAdoMet)類似体として、SをNに代えた数種の誘導体を調製し、スペルミジン合成酵素に対する親和性を検討してみたが、現在のところdeAdoMetに優るものは得られていない。なお、本研究に関連して、化学合成したdeAdoMetをマレイル化した後、逆相系のHPLCにより初めてdeAdoMetのジアステレオマー分離に成功した。 課題2&3:ポリアミン親和性高分子の検索に有用なポリアミン誘導体に関する研究。5-カルボキンスペルミン誘導体について、エチジウムブロミド/核酸の増蛍光系を用い、エチジウムブロミドの追い出し効果を目安に、核酸への親和性に関する基礎的検討を行った。その結果、5-カルボキシスペルミンのα位二級アミンの塩基性はスペルミンのそれと比べて低いことがわかった。したがって、二級アミンの塩基性にできるだけ影響を与えない分枝鎖の位置としてはスペルミンの2または6位が考えられた。 課題4: HTC細胞の生育に必要な微量スペルミジンの作用部位に関する研究。オルニチン脱炭酸酵素(ODC)の競合阻害剤AOAPとスペルミジンアナログとを組み合わせて得られた新しい現象が一般的な現象かどうかを調べるため、細胞としてはHTC細胞とL1210細胞、阻害剤としてはAOAPとDFMO(ODCの不可逆阻害剤)を選び各組合せで検討した結果、同様な現象が見られ、これが一般的であることが示唆された。そこで、微量スペルミジンを必須とする作用部位の一つとしてハイプシン合成系を考え、まずハイプシンのHPLC蛍光分析法を開発した。次いで細胞培養の過程でハイプシンを測定したところ、ポリアミンアナログを加えて生育停止した細胞中にハイプシンは検出されず仮説を指示する結果が得られた。
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[Publications] Jun-ichi,Fukuchi et al.: "Mechanism of the inhibition of cell growth by N1,N12-bis(ethyl)Spermine" Eur.J.Biochem.209. 689-696 (1992)
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[Publications] Lucio Frydman et al.: "Interactions between natural polyamines and tRNA:An ^<15>N NMR analysis" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 89. 9186-9190 (1992)