1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03671031
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
松島 美一 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (60037603)
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Keywords | 酵素モデル / 酵素不安定中間体 / ピリドキサ-ル / ピリドキサミン / シッフ塩基 / 紫外可視吸収スペクトル / 蛍光スペクトル / 金属キレ-ト |
Research Abstract |
ピリドキサ-ルを補酵素とする酵素は溶液環境の変化や酵素反応の進行に伴い、吸収およびけい光スペクトルが多様に変化する。研究代表者はそれが補講素部分の化学構造変化を反映しているものと考え、補講素またはその類似体の化学修飾により種々の状態の酵素と同じ吸収スペクトルの化学種を生成させ、このモデルにより酵素の静的状態および不安定中間体を含む動的状態の活性部分の構造を解明してきた。従来の研究である種の金属錯体がthe key intermediateと言われる酵素不安定中間体と同じ吸収スペクトルを示し、そのモデル化学種となる可能性を見いだした。今回の研究では、これら錯体および関連の化学種について吸収、けい光スペクトルおよび生成消失の動力学を測定し、静的状態の吸収スペクトルモデルと合わせて、酵素活性中心の解明を目的とした。 基質が存在しない時の酵素のモデルであるピリドキサ-ルおよびピリドキサミンのシッフ塩基について種々の溶存状態および他物質との会合状態での吸収およびけい光スペクトルを測定し、分子の構造や環境とスペクトル、生成反応平衡の関係を調べた。アルコ-ル性溶媒中では、ピリドキサ-ルはアミノ酸やアミンと容易にアルジミン型シッフ塩基を生成した。しかし、シッフ塩基生成反応の動力学デ-タは再現性が悪かった。これは、ピリドキサ-ルとアルコ-ルのアセタ-ル生成によることを証明した。 また、当初の計画通り、各種の金属A1(III)およびランタノイドキレ-ト、Cu(II)混合配位子錯体として準安定化させたキノイド分子についても核種のスペクトル測定を行った。報告された酵素の吸収およびけい光デ-タを結果と比較し、この錯体は酵素の活性中心の構造を忠実に再現できる良いモデルであると結論した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松島 美一: "Intermediate species absorbing in the 500ーnm region in metal ion mediated pyridoxal catalysis" Journal of PhormacobioーDynamics. 14. S116 (1991)
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[Publications] 松島 美一: "Intermediate species absorbing in the 500ーnm region in nonenjymatic pyridoxal cotalysis" Enjymes dependent on pyridoxal phosphate and other carbonyl compounds as cofactors. 1. 371-372 (1991)
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[Publications] 高田 二郎: "dーαーTocopherol prodrugのi.v.投与によるアドリアマイシン誘発毒性の軽減" ビタミンE研究会報告集. II. 174-177 (1992)
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[Publications] 高井 信治: "Studies on catecholamine by HPLC with multi ECD" Analytical Science. 7. 955-956 (1991)
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[Publications] 上田 陽,: "薬学物理化学・改稿版" 広川書店, 313 (1992)