1991 Fiscal Year Annual Research Report
55KーDa多機能蛋白質の代謝及び作用発現調節機構に関する研究
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03671042
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀内 龍也 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (90008342)
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Keywords | 多機能蛋白質 / Protein Disulfide Isomerase / 甲状腺ホルモン / 結合部位 / 点突然変異 |
Research Abstract |
平成3年度は、55kーDa多機能蛋白質(55kーMFP)の機能のうち、特に、生理活性蛋白質の機能発現に必要な立体構造の形成に重要な役割を果たしていると考えられるProtein Disulfite Isomerase(PDI)活性について、活性中心及び甲状腺ホルモンによる発現調節機構について検討した。 55kーMFPのアミノ酸配列の中で、Thioredoxinからの類推によりPDI活性中心と考えられている2箇所の部位のうち、Nー末端側にpoint mutationを起こさせたcDNAを大腸菌に組み込み、産生された蛋白質を精製し、PDI活性を正常蛋白質と比較した。その結果、変異蛋白質のPDI活性は半分に減少していたことから、推測されていた活性部位の各々がPDI活性を持つことが明らかになった。一方。既に我々はPDI活性が甲状腺ホルモン、特に活性型であるトリヨ-ドサイロニン(T_3)で抑制されることを見いだしているので、PDI活性とT_3結合活性との関係を明らかにするために、55KーMFPの甲状腺ホルモン結合部位の検索を行なった。[ ^<125>I]Bromoacetyl T_3(BrAc[ ^<125>I]T_3)でアフィニティラベルした55kーMFPのpeptide mappingを行ない、標識ペプチドのアミノ酸配列の同定を行ない、どのアミノ酸にBrAc[ ^<125>I]T_3が結合しているか検索した。その結果、T_3はNー末端側のPDI活性中心に含まれるCys残基に結合することが明らかになった。従って、甲状腺ホルモンは55kーMFPのPDI活性中心に結合することによって、PDI活性を抑制的に制御していることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ryuya Horiuchi: "Inhibition of Protein Disulfide Isomerasa Activity of 55kーDa Multifunctional Protein by Binding of Triiodothyronine to the Active Site." Europian Journal of Biochemistry. (1992)
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[Publications] Masaaki Kobayashi: "3,5,3^1ーTriiodothyronine Actions on the Synthesis and Secretion of Major Plasma Proteins by a Human Hepatoblastoma Cell Line(HepG2)." Journal of Molecular Endocrinology. (1992)
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[Publications] Ryuya Horiuchi: "Thyroxine stimulates growth hormone synthesis of GH_3 cells after converted to 3,5,3^1ーTriiodothyronine." Endocrinology. (1992)
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[Publications] 堀内 龍也: "甲状腺ホルモンと関連蛋白質ー基礎と応用ー" 朝倉書店, 203 (1991)