1991 Fiscal Year Annual Research Report
癌化肥満細胞のプロスタグランジンI_2受容体の精製とその性質に関する研究
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03671048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根岸 学 京都大学, 薬学部, 助手 (60201696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
八浪 公夫 京都大学, 薬学部, 助手 (30191141)
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Keywords | プロスタサイクリン / フォトアフィニティ- / 癌化肥満細胞 / 受容体 / トロンボキサンA_2 / プロスタグランジンE_2 |
Research Abstract |
申請者はラット肥満細胞及びマウス癌化肥満細胞にプロスタサイクリン(PGI_2)受容体が存在することを明らかにした。肥満細胞におけるPGI_2受容体の構造及び機能を解明する目的で、大量調製が可能な癌化肥満細胞のPGI_2受容体を同定するため、フォトアフィニティ-ラベルを試みた。PGI_2は化学的に不安定なため、安定でかつ親和性の高い誘導体、イソカルバサイクリンにフェニルアジド基を導入した[15ー^3H_1]ー19ー(3ーAzidophenyl)ー20ーnorisocarbacyclin(APNOC)を合成した。APNICは癌化肥満細胞のPGI_2受容体に対し、極めて高い親和性及び特異性を示し、アデニル酸シクラ-ゼを活性化するアゴニストとして作用することがわかった。APNICを用いてPGI_2受容体をフォトアフィニティ-ラベルし、SDS電気泳動によりその分子量を求めたところ、約43KDaのブロ-ドなバンドとして検出され、GTPγSまたはPGI_2の別の誘導体イロプロストにより、このバンドが消失したことから、このタンパク質がGTP結合蛋白とカップルする機能的なPGI_2受容体であることが同定された。更に、同様な手法を用いブタ皿小板のPGI_2受容体をAPNICで同定したところ、分子量約45kDaの糖タンパク質であることが明らかとなった。 一方、PGI_2受容体の精製は良いPGI_2のアンゴニストがないため困難であるため、既にその構造が明らかとなっているヒトトロンボキサンA_2受容体のcDNAの塩基配列を基にして、ホモロジ-スクリ-ニングによりPGI_2受容体の遺伝子をコ-ドするcDNAのスクリ-ニングを試みた。まず、種差の違いを除くため、マウスのトロンボキサンA_2受容体のcDNAの塩基配列を明らかにし、これを基にして癌化肥満細胞よりPGE_2受容体の遺伝子をコ-ドスるcDNAをクロ-ニングした。これらのcDNAの配列の比較により、PG受容体に共通した構造が存在することが明らかとなったので、これを基にして現在PGI_2受容体のcDNAを検索中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Manabu negishi: "Differential regulation of thrombinー of ATPーinduced mobilization of intracellular Ca^<2+> bu prostacyclin recptor in mouse mastocytome" Biochemical and Biophysical Research Communication. 176. 102-107 (1991)
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[Publications] Manabu Negishi: "TEIー9063,a stable and highly specific prostacyclin analogue for the prostacyclin receptor in mastocytoma Pー815 cells" Prostaglandins. 42. 225-237 (1991)
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[Publications] Y.Nakajima: "Direct linkage of three tachykinin receptors to stimulation of both phospahatidylinositol hydrolysis and cyclic AMP cascades in transfected Chinese Hamster Ovary cells" The Journal of Biological Chemistry. 267. 2437-2442 (1992)
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[Publications] M.Suzuki: "An azidoーfunctionalized isocarbacyclin analogue acting as an efficient photoaffinity probe for a prostacyclin receptor" Tetrahedron. (1992)
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[Publications] Manabu Negishi: "Translocation of α subunits of stimulatory guanine nucleotideーbinding proteins through stimulation of the prostacyclin receptor in mouse mastocytoma cells" The Journal of Biological Chemistry. 267. (1992)
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[Publications] Yukihiko Sugimoto: "Cloning and expression of a cDNA for mouse prostaglandin E receptor EP_3 subtype" The Journal of Biological Chemistry. 267. (1992)