1991 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞のホスファチジルセリンの生合成と機能に関する分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
03671077
|
Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
西島 正弘 国立予防衛生研究所, 化学部, 室長 (60072956)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 恭子 国立予防衛生研究所, 化学部, 研究員 (70235034)
赤松 穣 国立予防衛生研究所, 化学部, 部長 (00072900)
|
Keywords | ホスファチジルセリン / ホスファチジル脱炭酸酵素 / 遺伝子タ-ゲッティング |
Research Abstract |
1.ホスファチジルセリン(PS)合成酸素及びPS脱炭酸酵素に対する抗体の作製を試みた。前者はcDNAの塩基配列から推定されたアミノ酸配列を基にCー末付近のオリゴペプチドを化学合成し,これをウサギ血清アルブミンに結合したものをウサギに免疫して作製した。本抗体を抗原としたオリゴペプチドを用いたアフィニティ-カラムで精製した。精製した抗体を用い,PS合成酵素を過剰発現したCDTー1細胞の膜画分をウェスタンブロット解析をした結果,抗体は分子量約37KDaのタンパク質に結合することが明らかとなった。また,本抗体を用いCDTー1細胞膜を綿疫沈降したところ,PS合成酵素活性の一部が沈澱画分に回収され,同時にこの沈澱画分に先の37KDaタンパク質も回収された。一方,非免疫ウサギの血清できPS合成酵素は免疫沈降されなかった。以上の結果から,得られた抗体がPS合成酵素に対するものであることが示唆された。PS脱炭酸酵素に対する抗体は,CHOーK1細胞から得た本酵素のcDNAを用い,酵素タンパク質を大腸菌に発現させたものを抗原としてウサギに免疫して作製した。現在,抗体の性状を解析中である。 2.遺伝子タ-ゲティング法によりPS脱炭酸酵素欠損CHO変異株の樹立を試みた。本酵素をコ-ドするゲノムDNAの塩基配列を決定し,これにneo遺伝子を挿入することにより遺伝子破壊を行い,この破壊遺伝子をCHOーK1細胞に導入し,PCR法により目的の変異株をスクリ-ニングした。段階希釈法により3つの有力候補を得ることに成功した。現在,最終的な精製を行っており,今後,得られたクロ-ンの生化学的解析を開う予定である。
|
-
[Publications] K.Hanada,M.Nishijima,Y.Akamatsu.: "A temperature-sensitire mamn alian cell mutant with thermolalile sevine palmitoyltransfer rse for the sphin go lipid lios prtheis" J.Biol.Chem.265. 22137-22142 (1990)
-
[Publications] O.Kenge,M.Nishijima,Y.Akamatsu: "A cloned gene encoding phosphatidylieinl decavloxylase complements the phosphatidylserine biosyntheti defect of a Chinesl hanstel overy cell matant" J.Biol.Chem.266. 6370-6776 (1991)
-
[Publications] O.Kuge,M.Nishijima,Y.Akamatsu: "A Chinese habster cDNA encoding a protein essential for phasphatidylserine synthase I activity" J.Biol.Chem.266. 24184-24189 (1991)