1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03671079
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 克之 北海道大学, 工学部, 教授 (10088867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 孝一 北海道大学, 工学部, 助教授 (30125322)
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Keywords | 矯正歯科 / 三次元計測 / 歯列模型 / 支援システム / 治療計画 / 有限要素法 |
Research Abstract |
歯科矯正治療は,現在のところ医師の経験に基づき長期に亘り試行錯誤的に行わざるを得ない.本研究は,この様な問題点を克服し定量的かつ効率的な治療を実現するために,矯正治療の各段階に対応させ,治療計画,歯牙移動予測,治療評価を定量的に行い得る歯科矯正用治療支援システムの開発を目指したもので,本年度は前年度の成果を基に,以下の研究成果を得た. 1.有限要素法による歯根部の応力解析と歯牙移動の実測データから,歯根部応力と歯槽骨吸収量の関係を解析できる前年度開発の手法を用い,歯牙移動メカニズムの基本量のひとつである歯槽骨吸収速度を算出した.応力と歯槽骨吸収量はよい相関を示し,骨吸収速度は4μm/g・mm^2・dayという結果を得ることができた. 2.歯牙移動の駆動力となる矯正スプリングの有限要素解析を行い,解析結果よりanti-rotation bend角の増加に伴いgable bendの効果が減少するなど,スプリング形状の各種設定条件の相互依存性を定量化でき,矯正装置の設計指針を逐次医師に提供するシステム構築の可能性を見いだした. 3.前年度に,歯列形状データを計算機処理により三次元的に移動し,医師が計算機ディスプレイ上で予測歯列模型を作成できる治療計画支援システムを開発した.本年度は,予測歯列模型作成時に求められた各歯の移動量と矯正治療による実際の移動量を比較し,相関係数0.87と比較的よい対応を見いだすなど,治療計画支援システムとしての本法の有用性を,臨床計測結果に基づき実証することができた. 以上,前年度開発の手法を臨床応用し,歯科矯正用治療支援システムを実用に移す基礎を確立するとともに,骨吸収速度などの新知見を得ることができた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Katsuyuki Yamamoto: "Measurements of dental cast profile and three-dimensional tooth movement during or thodontic treatment" IEEE Transactions on Biomedical Engineering. 38. 360-365 (1991)
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[Publications] 山本 克之: "歯列三次元形状計測と歯科矯正用治療支援システム" 第6回札幌国際コンピュータグラフィックスシンポジウム論文集. 6. 79-84 (1992)
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[Publications] 森川 一: "計算機処理による歯科矯正用予測歯列模型の作成" 医用電子と生体工学. 31. (1993)