1992 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズム異常動物モデルの作製と改善する薬物の開発に関する研究
| Project/Area Number |
03671098
|
|---|
| Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
|---|
Principal Investigator |
柴田 重信 九州大学, 薬学部, 助手 (10162629)
|
|---|
| Keywords | サーカディアンリズム / 概日リズム / 痴呆 / 視交叉上核 / 脳代謝賦活薬 / 向精神薬 / モデル動物 / 体内時計 |
|---|
| Research Abstract |
平成3年度内にサーカディアンリズム異常動物を作製し、その体内時計の異常性につき確認した。ラットに一定時刻に制限給餌を行うと、食事性の予知行動が出現する。この新しいサーカディアンリズムは体内時計の存在する視交叉上核に非依存性のリズムであり、社会的な同調性のモデルとなるリズムであることがわかった。またこの予知行動は生後1-2年齢の老齢動物では著明に障害された。この障害に対して種々の脳代謝賦活薬を投与したところ、ビフェメランやセロトニン受容体遮断薬で有意に改善されたが、アレコリンやグルコースでは改善されなかった。このように、老人性痴呆患者に適用しようとしているビフェメランで予知行動の障害が改善されたことは、サーカディアンリズムの同調性を促進させる新規薬物の開発が可能であることを示唆している。つまり臨床上、夜間俳廻等リズム同調性障害を改善できる薬物の開発が可能であることがわかった。また従来、アレコリンなどアセチルコリン関連薬物がいわゆる学習・記憶に関連深いと考えられていたが、今回の研究から、食事性の同調による予知行動にはセロトニン神経系の重要性が示唆された。
|
-
[Publications] Shigenobu Shibata: "Effect of Substance P on circadian shythms of firing activity and the 2-deoxyglucose uptake in the rat suprachiasmatic nucleus in vitro" Brain Research. 597. 257-263 (1992)
-
[Publications] Shigenobu Shibata: "Tetrodotoxin does not affect circadian rlythwrs in neuronal activity and metabolism in rodent suprachiasmatic nudous in vitro" Brain Research. (1993)
-
[Publications] Shigenobu Shibata: "Neuropeptide Y and optic nerve stimulation affect circadian function of rat suprachiasnatic nucleus neuions in vitro" Brain Research. (1993)
