1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺肥大症における前立腺α_1-アドレナリンレセプター特性の解析
Project/Area Number |
03671102
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Research Institution | School of Pharmaceutical Sciences, University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山田 靜雄 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (80106434)
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Keywords | 前立腺肥大症 / 前立腺 / α_1-レセプター / ラジオレセプターアッセイ / 〔^3H〕プラゾシン / α_1-拮抗薬 / レセプター結合動態 |
Research Abstract |
[^3H]プラゾシンを標識リガンドとするラジオレセプターアッセイ法によりヒト前立腺におけるα_1-アドレナリンレセプター(R)の分布を調べ、肥大症患者と正常者(膀胱癌患者より摘出した肥大していない)前立腺でのα_1-Rを比較し、更に前立腺α_1-Rの性質(サブタイプとα_1-拮抗薬の結合性をヒト血管(大動脈)の場合と比較した。 [実験成績](1).ヒト前立腺におけるα_1-R([^3H]プラゾシンの最大結合部位数)には部位差があり、内側領域で最も高く、以下、外側領域、前立腺尿道部の順であった。(2).肥大前立腺におけるα_1-Rの密度([^3H]プラゾシンの最大結合部位数)は正常前立腺の約72%、有意な高値が認められた。一方、α_1-Rの親和性([^3H]プラゾシン結合の解離定数)は両群で差異が認められなかった。(3).α_1-拮抗薬のYM617、プラゾシン、ナフトピジル及びウラピジルはいずれも前立腺と大動脈への[^3H]プラゾシン結合を濃度依存的に抑制した。各薬物の抑制定数(Ki値)より、両組織のα_1-Rに対し、プラゾシンとウラピジルはほぼ同等の親和性で結合したが、YM617とナフトピジルは前立腺α_1-Rにそれぞれ14倍と2倍、高い親和性で結合することが示された。(4).ヒト前立腺及び大動脈をクロルエチルクロニジンで前処理することにより[^3H]プラゾシンの最大結合位数が対照に比べ約30%減少した。これより、両組織にはα_1-Rのα_<1A>とα_<1B>の両サブタイプが混在することが示唆された。 以上の結果より、ヒト前立腺におけるα_1-Rは、(1)分布密度に部位差があること並びに(2)肥大症患者において正常者より増量していることが明らかとなった。また、YM617とナフトピジルは、おそらく前立腺α_1-Rに対し選択性を有するα_1-拮抗薬であり、前立腺肥大症の排尿障害に対し、きわめて有効な(起立性低血圧などの副作用の少ない)治療薬になるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yamada,S.,Suzuki,M.,Kato,Y.,Kimura,R.et al.: "Binding characteristics of naftopidil and alpha-adrenoceptor antagonists to prostatic alpha-adrenoceptors in benign prostatic hypertrophy" Life Sciences. 50. 127-135 (1992)