1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03671103
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
林 正弘 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (20012669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水間 俊 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (80229715)
堀江 利治 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (90120154)
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Keywords | 細胞間隙経路 / 細胞内経路 / 高分子量物質 / 吸収促進剤 / パイエル板 / M細胞 / インピ-ダンス解析 |
Research Abstract |
細胞間隙経路の性質として,ラット結腸及び空腸における水溶性非電解質の透過クリアランス(Pm)の自由拡散係数(D)に対する関係は両部位とも分子半径12ー15^^°のイヌリンまでは直線関係にあり,この経路を自由拡散できることが既に得られていた。今回イヌリンより高分子量のFITC標識のデキストラン(FD20K,70K)のPmは前述した直線からの予測値より低い値となり,拡散が有意に制限されていることが示された。吸収促進剤の代表として,カプリン酸Na(C10)をラット結腸に作用させると上述したイヌリンまでのPm対Dの関係は直線性を維持しながら,その傾きを増大させたが,FD20K,70KのPmは増大するものの直線からは下へはずれ,細胞間隙経路はC10により拡大されるが,イヌリンより大きな分子の透過性は依然として制限された。 C10以外に胆汁酸塩のタウロデオキシコ-ル酸Na(STDC)存在下でインピ-ダンス解析を行なったところ,細胞間接合部の電気抵抗Rjの低下及び膜キャパシタンスC_Mの増大から,STDCもC10と同様に細胞間隙を拡大していることが示された。しかし,C10が0.1%以上の濃度で有意な変化を与えるのに対し,STDCは0.25%以上で有効であるところから,促進作用はC10の方が大であった。なおC10もSTDCも腸内からwashoutされた後はRj,C_Mともコントロ-ルレベルへ戻ることから,促進作用の可逆性が示された。細胞内経路としてパイエル板(PP)透過性をウサギ空腸部のPP及び通常上皮(JE)の比較から検討した。TyrーArgのジペプチドと分子量67,000の蛋白質FITC標識の牛血清アルブミン(FITCーBSA)の透過性は,ジペプチドではArgがDー体の場合,ppでは酵素分解が少なく,intactなままでの透過に有利であった。FITCーBSAの場合はppでの分解の低さがintactなままでの透過に有利であったが,ppのもつ吸着性エンドサイト-シスを積極的に利用するにはpp中のM細胞膜上に存在する特異的なレクチン結合部位に注目すべきであるとの見解を得た。現在,FITC標識レクチン及びレクチン結合物質の透過性を引続き検討中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Sawada,T.Ogawa,M.Tomita,M.Hayashi,and S.Awazu: "Role of Paracellular Pathway in Nonelectrolyte Permeation across Rat Colon Epithelium Enhanced by Sodium Caprate and Sodium Caprylate" Pharmaceutical Research. 8. 1365-1371 (1991)