1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03671108
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
巽 英二 神戸大学, 医学部, 講師 (20192172)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 延男 神戸大学, 医学部, 教授 (00026890)
|
Keywords | EpsteinーBarr Virus(EBV) / NonーB lymphoid Cells / LeuKemia / lymphoma |
Research Abstract |
T細胞リンパ腫について、EBV抗体価の再活性化例を収集できなかったが、4例でEBV・DNAを検索し、陰性結果であった。顆粒リンパ球(GL)増多例は、14例検索し、3例の担EBV症例を検出した。その内2例は、CD2陽性CD3陰性例で、河らの成績を確認した。その他の1例は、CD3陽性CD8及び4陰性でγδ鎖からなるT細胞受容体を発現し、現在まで国際的に未記載のものであった。 新鮮材料に加え、EBV陰性が確定されていない非B細胞に由来する株細胞について、EBV・DNAの存否を検索した。NK株細胞YTとHodgkin細胞株AICHIー4にEBVを検出した。YT細胞では、起源細胞(YTーO)と2種の亜株(YT2C2とYTC3)には、終末反復配列接合部遺伝子によるサザン・ブロットで、同一の再会合帯が示され、新鮮腫瘍細胞の担EBVは不明だが、遅くとも2つの亜株の分離前にYT細胞にはEBVが感染していたことが分かった。YTーO)はNK活性及びADCC活性を保持し、他の2種の亜株は活性が無い。これらのYT細胞は、CD3δ・RNAを発現しないが、CD3ε・RNAを発現し、T細胞近縁の細胞と思われた。Hodgkin株細胞として、KLM2,L428,HDLMなどが知られているが、総てEBV陰性である。AICHIー4は、世界で初めて確認された担EBV・Hodgkin株細胞であり、汎B抗原陽性であるが、膜表面Igは発現していない。 ウイルス遺伝子の存在様式は、宿主細胞の分化経路・段階により限定される。CD3ε遺伝子発現のあるYTやHodgkin病由来のAICHIー4は、従来のEBV宿主細胞とは性格が異なっており、今後のEBV研究に極めて有意な成果が、今回の研究で得られた。(Leukemia 6:136ー141、1992)
|
-
[Publications] Yoneda N: "Detection of EpsteinーBarr virus genome in naturalーkilerーlike cell line,YT." Leukemia. 6. 136-141 (1992)
-
[Publications] 巽 英二: "リンパ増殖性疾患とEBV遺伝子" 臨床血液. 32. 660-668 (1991)
-
[Publications] 巽 英二: "悪性リンパ腫とウイルス" 内科. 68. 223-229 (1991)
-
[Publications] 米田 規子: "Polymerase chain reaction法によるRAGー1遺伝子の検索" 医学の歩み. 157. 709-710 (1991)
-
[Publications] Kawano S: "Leukemic proliferation of myeloblasts after GーCSF administration following lymphomaーtype chemtherapy in a patient with myeloblastoma with uterine cervix." Am J Hematol.
-
[Publications] Tatsumi E: "Expression of CD7 antigen precludes t(8;21)(q22;q22)chromosome aberration in acute myeloblastic leukemia(AML)." Blood.