1992 Fiscal Year Annual Research Report
可溶型グアニル酸サイクラーゼの活性化機構と血小板に於けるサイクリックGMPの代謝
Project/Area Number |
03671109
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
佐伯 修一 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80145078)
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Keywords | グアニル酸サイクラーゼ / サイクリックGMP / マイクロシークエンス |
Research Abstract |
本年度の研究は昨年度のサブユニット再構成実験による酵素学的研究を続けると共に、並行して、サイクリックGMPの細胞内動態を本酵素活性が著しく高い血小板を用いて調べることであった。 サブユニットタンパク質の再構成実験には出発材料といて、多量の精製酵素標品を必要とするが、昨年度開発した坑体カラムからの新しい溶出法により酵素標品が安定して供給できるまでになった。標品は分光学的解析によりモル当り0.8分子のヘムを含みNOにより活性化された。この酵素標品を8M尿素または6M塩酸グアニジンで酵素を完全変性したのち希釈法にて酵素活性の回復を計った。希釈液には20%グリセリン加20mMTris-HCI(pH=7.0)緩衝液に1mM DTT等を添加したものを使用した。しかしながら現在までのところ活性の回復が得られていない。問題点として本酵素の極端な不安定性が挙げられ、高度精製標品は緩衝液による100倍希釈でほぼ完全に失活する。そのため希釈には常に20%グリセリンの添加が必要であった。一般にこのような変性条件下での再構成実験は困難を伴うがサブユニットの機能を調べるためにはその分離と再構成は不可欠であり今後も継続して行う必要がある。 他方、サイクリックGMPの細胞内動態を血小板浮遊液を用いて調べた。ヒト血小板にもラット肺と同様な二量体グアニル酸サイクラーゼが存在し(イムノブロッティング法)、SNPで約200倍活性化されることが分った。浮遊血小板中のサイクリックGNPはSNP添加後約10秒を頂点とした持続約30秒の一過性上昇を示した。このときサイクリックGMP分解系の阻害剤IBMXを添加しておくとサイクリックGMPの高値は維持されることから細胞内サイクリックGMP濃度は合成系のみならず分解系によっても調節されていることが分った。 さらにこの計画を通じて微量タンパク質の取扱技術、特にマイクロシークエンス法の開発と改良を行い、いくつかのタンパク質の解析に応用できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kuno,T.: "cDNA cloning of a neural vsinin-like Ca2+-binding protein." Biochem.Biophys.Res.Commun.184. 1219-1225 (1992)
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[Publications] Saheki,S.: "Hemoglobin Ehime or β57-58 (E1-2) Asn-Pro→0, a new β chain variant." Hemoglobin. (1993)