1992 Fiscal Year Annual Research Report
老人ケアにおける家族研究ー家族評価および家族参加ケアシステムの検討ー
Project/Area Number |
03671126
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Research Institution | Ainogakuin College |
Principal Investigator |
上原 ます子 藍野学院短期大学, 看護学科, 助教授 (10203473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 京子 藍野学院短期大学, 助教授
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Keywords | 家族関係 / 態度 / 介護受容 |
Research Abstract |
1.家族が在宅介護の受容を規定する要因として、入院前の家族関係の調査を実施し分析した結果、在宅介護を受容している家族の老人に対する態度は、老人の物を大切に扱う、子供との接触を心がける、話し相手になるなど、肯定的な接触の仕方が多いという特徴を示した。一方、在宅介護を受容していない家族では、老人の欠点が気になる、合わないと思うなどの否定的な関係であった。 さらに、家族関係を表す行動面の特性として、老人が家族の団らんに参加したり、自分の欲求を明確に示す場合には、家族の在宅介護受容意欲が高い。しかし、介護者や介護の仕方に対して不満を示す場合には、病院入院継続あるいは施設入所希望などの受容拒否とも言える回答が多い。 このように、入院前からの家族関係のダイナミックスが、介護受容の諾否に影響していることが明らかになった。 2.医療機関が老人の在宅ケアに果たす役割として、昨年度の「退院予定患者情報」の作成とチーム検討に加えて、本年度は「退院時連絡表」を作成し、地域の関係機関との連携を開始した。 3.退院患者宅への訪問調査結果からは、退院後医療機関にかかっていないものが約1/4、福祉サービスの利用は入院患者調査に比べ増加していたが1/3に留まり、家族の介護にたいする満足感はない〜少ないが2/3を越す現状であり、介護負担の軽減ははかられていない。 退院後の対象者の変化は、意欲と活動量は退院時より現在のほうが増加しており、楽しみや交流なども増加傾向を示した。しかし、家族の変化については、退院直後はいたわりや助け合いが増加するが次第に以前と同様な状態にもどることが示されている。心身の疲労は時間経過と関係なく高い状態が継続していた。
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