Research Abstract |
1.前年度の研究によって明らかにしたPBMおよびMBIによるBurnout得点とTEGによる自我構造との関係に基づいて,5つの自我のうちのCP,FC,ACでは低値,中等値,高値のそれぞれに1,2,3点をNP,Aではそれぞれに3,2,1点を配し,各被検者の5つの自我のレベルからその合計得点を求め,12点以上を判別基準として高Burnout得点を抽出すると,高Burnout得点者はその基準に該当した群では19名中の9名(47.4%)であり,基準に該当しなかった群では143名中の20名(14.0%)であった.また,ACがPeak,NPがBottom,平均自我レベルが高い,の3条件のうちの2条件を判別条件とした場合は,高Burnout得点者は16名中の7名(43.8%)であり,条件に該当しなかった群では146名中の22名(15.1%)であった.判別基準,判別条件を変えてみても,敏感度,特異度をともに上げることはできなかったが,Burnoutに陥りやすい者を予測する一つの手だてとはなりうるように思われた. 2.ナースやその他二,三の強いストレスが推定サれる集団を対象に心電図R-R間隔のばらつき(R-R:CV)の変化を測定し,それを指標としてストレスの影響が評価できないかを検討した.(1)日勤ICU勤務ナース,準夜勤ナースでは,勤務後のR-R:CVに変化を認めなかったが,深夜勤ナースでの勤務後のR-R:CVは有意に低下していた.(2)看護科学生の臨床実習中におけるPMBおよびMBIによるBurnout得点は実習前より上昇し,実習の終了時には実習前の値に戻った.一方,実習中のR-R:CVは,実習前に比べて有意に縮小していたが,実習の終了時には実習前の値に戻っており,Burnout得点の変化とR-R:CVの変化とに同調が認められた.(3)手術後ICUに入室中の患者を対象に測定したR-R:CVは,老年者を別として,明らかな縮小を示していた.以上の結果から,R-R:CVの縮小はストレスの指標となりうると思われた.
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