1992 Fiscal Year Annual Research Report
純化幹細胞の無血清培養法による造血不全疾患の病態解析
Project/Area Number |
03671172
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤田 賢一 北海道大学, 医学部, 助手 (90226069)
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Keywords | 骨髄異形成症候 / 再生不良性貧血 / 造血因子 / 純化幹細胞 / 無血清培養 |
Research Abstract |
造血不全疾患の病態解析を目的として、貧血、特に〓血球減少を呈する患者から骨髄血を採取し、既報のごとく(Blood、T8:967-974、1991)、幹細胞を純化した。純化幹細胞を血血清培地に植え込み、各種造血因子;エクトロポエチン(EP)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、マクロファニージコロニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターロイキン3(IL-3)、Stem cell factor(SCF)および、その他7種(IL-6等)に対する反応性と各々の組み合わせに対する反応性について検討した。現在の累積症例数は、骨髄異形成症候群(MDS)24症例、再生不良性貧血(AA)10例である。正常人の純化幹細胞を用いた検討で以下のことが明らかになった。(1)系特異的造血因子であるM-CSF、G-CSF、EPは単独では、それぞれ colony forming unit-macrophage(CFU-M)、CFU-granulocyte(CFU-G)、後期赤芽球系前駆細胞(CFU-E)からなるコロニーを形成した。(2)IL-3は多能性造血幹細胞に働く因子であるが、単独ではCFU-Eosinophil/basophil(CFU-Eo/Ba)コロニーを誘導する。(3)GM-CSFはCFU-M,CFU-G、CFU-Eo/Baコロニーを誘導するが数は少数にとどまる。MDSの検討では、重症度によって造血因子に対する反応に差異がみられ、不応性貧血(RA)では、G-CSFに対する反応性の低下が認められる一方、芽球増加型RA(RAEB)では、全く反応のみられない症例が多かった。以上をBritish Journal of Haematolgy に報告した(1993)(in press)。
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Research Products
(1 results)