1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03671173
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
阿部 帥 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 寛 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10225435)
渋谷 彰 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80216027)
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Keywords | NK細胞 / 分化・成熟 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
〔方法〕健常人とヒト骨髄細胞をYodaの方法(1988)に準じてselected bone marrow cellを分離し,IL2を添加して21日間培養し,NK細胞を誘導した。この培養系に各種ヒト臍帯内皮細胞培養濾液を各種濃度に添加し,NK細胞の生成に及ぼす影響を検討した。NK細胞の判定はlarge granular lymphocyte(LGL)およびCD56陽性細胞で判定した。臍帯内皮細胞培養濾液は,(1)Confluent:MCDB151+15%FBS+10ng/μl rhaーFGF+5μg/ml heparinを培地として,フラスコ25cm^2あたり約10^6コのヒト臍帯内皮が付着した状態で培養。confluentになった状態で培地を交換して2日間培養。その後培地を回収して0.2μmのフィルタ-を通したもの,(2)subconfluent:顕微鏡で見てまだ隙間のある状態で2日間培養した培地,を用いた。 〔結果・考察〕CD56陽性細胞数およびLGL数は培地のみを加えた場合は対照に比し差異を認めなかった。confluentを加えた場合は対照および培地のみを加えた場合に比し1,2,3週目において有意の変化が認められなかった。これに対しsubconflurentを加えた場合は対照,培地のみおよびconfluentを加えた場合に比しCD56陽性細胞数およびLGL数は有意の高値を示した。subconfluentの添加量は少量(5μl)から量を多くするにしたがってその添加効果は低下した。subconfluentの少量(5μl)を加えて培養した場合の全細胞中のCD56陽性細胞数の割合は90%と他の添加培養系に比い高値を示した。 以上の成績はNK細胞が骨髄で成熟する際の内皮細胞との接触が重要な役割を果たしている可能性を示唆しているように考えられる。現在,内皮細胞養濾液中の有効成分の解明を継続している。
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