1991 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒球コロニ-刺激因子(GーCSF)のレセプタ-結合ドメインの検索とその意義
Project/Area Number |
03671176
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小澤 敬也 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30137707)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00211681)
浅野 茂隆 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50134614)
|
Keywords | 顆粒球コロニ-刺激因子 / GーCSF / レセプタ-結合ドメイン / GーCSFレセプタ- / 抗GーCSF抗体 / エピト-プ・マッピング / RTーPCR法 |
Research Abstract |
GーCSFは単一の遺伝子からalternative splicingによりa型とb型の2つの分子種が産生される。前者はLeu35の後にアミノ酸が3個付加され、その生物活性は後者の約1/10である。そこで、このアミノ酸挿入部位近傍がGーCSFレセプタ-との結合に重要であると考え、以下の実験を行った。まず、 ^<125>I標識GーCSFbの好中球への結合実験において、非標識のGーCSFa,bならびに各種抗GーCSF抗体による結合阻害反応を調べた。予想通り、GーCSFaのレセプタ-への親和性はGーCSFbの約1/10であった。抗GーCSF抗体についてはさらに、ヒト骨髄細胞を用いた好中球コロニ-形成系およびGーCSF依存性増殖を示すNFS60細胞の液体培養系においてGーCSFに対する中和活性を調べた。また、各抗体のGーCSFへの結合能についてはenzyme immunoassay(EIA)法により検討した。次に、GーCSFbのa.a.^<1-30>,a.a.^<31-60>,a.a.^<61-90>,a.a.^<91-120>およびa.a.^<23-44>に相当する各ペプチドを合成し、各抗GーCSF抗体との反応性をEIA法で調べ、エピト-プ・マッピングを行った。その結果、中和活性とレセプタ-結合阻害活性を有する抗GーCSF抗体(レセプタ-結合ドメイン近傍を認識すると考えられる)がアミノ酸挿入部位近傍のペプチド(a.a.^<23-44>)を認識したことから、このペプチド近傍がGーCSFのレセプタ-結合ドメインであると推定される。したがって、GーCSFaにおける3ケのアミノ酸挿入がそのGーCSFレセプタ-への結合を阻害したものと考えられ、GーCSFaの生物活性の低下が分子構造の上から説明できるものと思われる。尚、GーCSFa mRNAとGーCSFb mRNAを識別することができるRTーPCR/HphI分析法を確立し、ストロ-マ細胞の産生するGーCSF mRNAのタイプを調べたところ、GーCSFb mRNAが主体であることが判明した。
|
-
[Publications] K.Ozawa: "Regulatory Production of granulocyte colonyーstimulating factor(GーCSF)by stromal cells" Hematopoietic Growth Factors. 55-81 (1991)
-
[Publications] K.Inokuchi: "A possible correlation between the type of bcrーabl hybrid mRNA and Platelet count in Philadelphiaーpositive chronic myelogenous leukemia" Blood. 78. 3125-3127 (1991)
-
[Publications] K.Tani: "Possible pathophysiological roles of GーCSF in myelodysplastic syndromes(MDS):A case report" Myelodysplastic syndrome and Cytokines. 161-170 (1991)
-
[Publications] S.Asano: "Several approches to improvement of interferonーalpha therapy in chronic myelogenous leukemia(CML)" Eur.J.Cancer.
-
[Publications] S.Irie: "Alternation therapy with antileukemic agents and recombinant human granulocyte colonyーstimulating factor for refractory anemia with excess of blasts in transformation" Am.J.Aed.Sci.