1991 Fiscal Year Annual Research Report
多発性骨髄腫におけるインタ-ロイキン6の恒常的発現に関与する転写調節因子の研究
Project/Area Number |
03671189
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田辺 修 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (70221398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藏本 淳 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50034070)
河野 道生 広島大学, 医学部. 附属病院, 助手 (40161343)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / インタ-ロイキン6(ILー6) / オ-トクライン / 増殖因子 / 転写調節因子 / NFーIL6 / RTーPCR / ゲル・シフト・アッセイ |
Research Abstract |
本研究は多発性骨髄腫においてそのオ-トクライン増殖因子である ILー6遺伝子の恒常的発現の機序を明らかにすることを目的としている。まずヒトILー6遺伝子の5'上流約1kbまでの種々の長さのDNA断片をクロラムフェニコ-ル・アセチルトランスフェラ-ゼ(CAT)遺伝子の上流に組み込んだ種々のCATプラスミドを作成した。これをエレクトロポレ-ション法やリポゾ-ム法により培養細胞株に効率良く取り込ませ発現させるための条件を決定することができた。現在,これらのCATプラスミドを骨髄腫細胞株に導入してCATアッセイを行い,骨髄腫におけるILー6恒常的発現に関与するプロモ-タ領域の解明を試みている。また,ヒトILー6遺伝子の5'上流のDNA断片を ^<32>Pでラベルしてプロ-ブとしてゲル・シフト・アッセイを行うことにより,骨髄腫に発現している。ILー6遺伝子プロモ-タ-結合蛋白質を同定することができた。 一方,神経芽細胞腫株などにおいてILー6発現に,転写調節因子NFーIL6が関与していることが報告されている。このため我々は骨髄腫細胞におけるNFーIL6の機能の検討を行った。まず,ILー6及びNFーIL6のcDNAをそれぞれ特異的に増幅しうるプライマ-を考案しRTーPCR法により骨髄腫細胞株KMSー5と0266及び新鮮分離骨髄腫細胞におけるILー6mRNA及びNFーIL6mRNAの恒常的発現を確認することができた。さらに,NFーIL6結合領域の塩基配列を合成しこれを ^<32>Pラベルしてプロ-ブとしてゲル・シフト・アッセイをおこないNFーIL6の蛋白レベルでの発現も確認することができた。これらのことから骨髄腫細胞におけるILー6恒常的発現にNFーIL6が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)