1991 Fiscal Year Annual Research Report
巨核球の増殖分化を刺激する新しいサイトカインの純化と遺伝子クロ-ニング
Project/Area Number |
03671192
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河北 誠 熊本大学, 医学部, 助教授 (20040280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 幸示 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (20190069)
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Research Abstract |
本年度はヒト巨核球性白血液細胞株CMKの増殖を刺激する因子の純化を試みた。活性測定はCMKより当科で樹立した樹立した亜株CMKー308を用いたMTT法によった。ヒト成人T細胞白血病由来HTLVーI感染T細胞株K3Tの無血清培養上清200Lを出発材料とした。まずYMー10限外ろ過膜により濃縮坂DEAEーセファロ-ズCLー6Bカラム,次いでブル-セファロ-CLー6Bカラムにて分画した。得られた活性画分をDZAZー5PW高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)により分画したところNacl濃度の0.1M及び0.2Mの位置に2つの活性画分を得た(FrI,II)。次に2つの画分をHCAーHPLCで分画したところ,FrIは単一の活性ピ-ク,FrIIは更に2つの活性ピ-ク(FrIIa,IIb)に分画された。この時点で各種サイトカインに対する抗体による中和試験を行った。その結果,画分IIa及びIIbは抗GMーCSF抗体,抗ILー3抗体,抗ILー6抗体の混合溶液でほぼ完全に中和された。更に各抗体の単独添加では抗GMーCSF抗体により、中和されたところから、IIa,IIn画分中の殆どがGMーCSFによると推定された。しかしFrIaの活性はこれらの抗体では中和されず,GMーCSF,ILー3,ILー6以外の因子が存在すると考えられる。一方K3Tの各種因子の産生をmRNAのレベルでPCR法を用いて解析した。その結果K3Tは無血清培養ではMーCSF,GMーCSF,ILー1α,ILー6,ILー9,TGFーβのmRNAの発現が認められた。しかしMーCSF,ILー1,ILー9,TGFーβにはCMKには反応せず,またFrIの活性はGMーCSF,ILー3,ILー6抗体では中和されないことから,これら既知因子以外の新しいサイトカインが含まれる可能性が示唆された。更にCMKの巨核球系表面形値である血小板膜粁蛋白IIb/IIIaの発現を検討すると,K3T培養上清は、IIb/IIIaの発現率を15%から50%へ上昇させるが,この活性もGMーCSF,ILー3,ILー6に対する抗体では中和されなかった。現在FrIの活性について,更に培養上清を大量調製して精製を試みている。
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[Publications] Fujimoto,K.,et al: "Purification of megahary ocyte differenliation activity from a human fibrous histiocytoma cell line:NーTerminal sequence homology with actimin A." Biochem.Biophys.Res.Commun.174. 1163-1168 (1991)
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[Publications] Yonemura,Y.et al: "Effects.of short term aclministration of reconbinant human erythropoletin on rat megaharyopoiesis." Int J.Cell Cloning. 10. 18-27 (1992)
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[Publications] 藤本 幸示 他: "末分化甲状腺癌由来細胞株上清より純化した巨核球系細胞分化因子についてーアクチビンの新しい生物活性の発見ー" 臨床血液.
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[Publications] Yonemura,Y.,et al: "Synergistic effects of in terleukinー11 on murine megakaryopoiesis in serumーfree cultcere." Exp.Hematil,.