1991 Fiscal Year Annual Research Report
血小板GPIV欠損者における抗GPIV抗体産生機構の遺伝子工学的解明
Project/Area Number |
03671202
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
山本 正雅 東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (50150884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 憲次郎 東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (30014137)
桜庭 均 東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (60114493)
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Keywords | GPIV欠損 / 血小板凝集 / 単球 / type Iの欠損者 / イソ抗GPIV抗体 / PCR / GPIVのmRNA / 骨髄移植 |
Research Abstract |
健常者340人のスクリ-ニングで16人のGPIV欠損者を見いだした。このうち7人の血小板凝集能を調べた。その結果、collagen凝集(0.5-3μg/ml)において、両グル-プには著明な差は認められなかった。また、thrombin ADP、アラキドン酸による凝集能にも差を認めなかった。これらの成績から、従来からの報告であるGPIVがcollagenの産容体でありかつ活性化の最初のステップに重要であるとする考えに疑問を投げかけるものであった。(Brit J Haematol印刷中)これら16名のGPIB欠損者の単球の膜上のGPIVをOKM5を用いてflowcytameterにて検討した。その結果、14例においてGPIVが陽性であることが明らかになった(Type II)。しかし、残り2例においては単球にもGPIVは存在しかなった。(Type I)(第54回日本血液学会にて報告)。このtype IのGPIV欠損のうち一名(Na.S)の血清には抗GPIV容体が存在していることが判った。この成績からGPIVが完全に欠損であるtype Iの欠損者にはイソ抗GPIV抗体が産生されことが確認された。Type IIのGPIV欠損の患者のbuffy coatをFicollーPacquで遠心法により分離し、単核球分画とり、この分画から常法によりmRNAを分離し、PCRの増幅法により検討したところ、GPIV欠損者の単球には、1.6KbpのcDNAが検出され、シ-クエンスによりほぼ完全なGPIVのmRNAが存在することが明かとなった。Type IのGPIV欠損者については今後の課題である。 骨髄移植対象者でGPIV欠損の患者が発見できたなら、移植経過の観察と、移植後のGPIB抗原の血小板への表現などの観察を予定していた。本年度は45名の骨髄移植対象者と対象候補者をスクリ-ニングしたが、一人もGPIV欠損者を発見することができなかった。本研究は継続予定である。
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[Publications] 山本 正雅,田上 憲次郎,山崎 博男: "血小板膜糖蛋白の構造と機能に関する最近の知見" 最新医学. 46. 654-671 (1991)
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[Publications] 山本 正雅,田上 憲次郎: "GPIVの構造と機能" 医学のあゆみ. 160. 690-693 (1992)
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[Publications] 山本 正雅: "そこが知りたいQ&A:血小板のcollagen受容体とはどのようなものかお教え願います。" 治療. 73. 1024-1026 (1991)
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[Publications] Yamamoto N,Akamatsu N,Yamazaki H,Tanoue K: "Normal aggregations of glycoprotein IV (CD36)-deficient platelets from seven Japanese donors." Bit.J.Haematol.
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[Publications] 山本 正雅,山崎 博男: "血小坂" 山中 学・山崎 博男編, 377 (1991)
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[Publications] 山本 正雅: "血小坂" 山中 学・山崎 博男編, 377 (1991)