1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680019
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
雨宮 宏 理化学研究所, プラズマ物理研究室, 副主任研究員 (60087426)
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Keywords | 無電子 / 正負イオン / 高周波 / 磁気フィルタ / レ-ザ- / D層 |
Research Abstract |
正イオンと電子からなる従来のプラズマでは主に電子の効果が顕著に現れる現象が多いのに反し、同程度の質量の正負イオンからなるプラズマ状態、例えばD層では、特性が根本的に異なる事が考えられる。ここではこれを無電子性プラズマと名付けた。その研究価値としては、D層の太陽光の有無による電子の負イオンへの付着、光脱離による過渡現象、下部電離層電波伝播、負イオン化や人工電離層によるオゾン層保護機構の解明、等である。また、シ-スのない熱速度での成膜、エッチング条件を実現し膜特性の根本的改良を図ることにも意義がある。正負微粒子プラズマ等への応用も考えられる。 本研究では酸素ガスを用いRF電源より13.56MHzの高周波を平行平板電極にプリッジ型マッチング回路を経て浮動電極系で供給し多極磁場型プラズマ(ソ-スプラズマ)を生成、ソ-スプラズマからSmCo磁石フィルタを通して正負イオンを引出し別の空間(タ-ゲットプラズマ部)に注入し正負イオン混合プラズマ、即ち殆ど電子が存在しない状態を実現した。磁気フィルタ特性の電子除去特性をモンテカルロシミュレ-ション結果と実験結果を比較検討した結果、イオン通過により生ずる電場を考慮する必要性が認識された。ソ-ス、タ-ゲットプラズマ中の負イオン含有率の相互関係、安定性、再現性を調べた結結、ガス圧とRFパワ-依存性があることが分った。負イオン種とその密度測定として色素レ-ザ-、ダイオ-ドレ-ザ-による光脱離法に基ずく光ガルバノ法を別のホロ-陰極放電管で適用、負イオン密度と酸素圧力との関連を明らかにした。正イオンについては質量分析計の接続により各粒子種の同定を行う準備を行った。 上記研究の実験デ-タの検討、まとめ、研究成果の発表を一部行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Amemiya.H: "Production of Electron-Free Plasma by Using a Magnetic Filter in Radio Frequency Discharge," Jpn.J.Appl.Phys.30. 2601-2605 (1991)
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[Publications] Amemiya.H: "Laser-Assisted Proibing Method for Measuring Negative lons in Plasmas" Jpn.J.Appl.Phys.30. L1895-1998 (1991)
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[Publications] Ameniya,H and Fuchs.G: "Influence of Secondary Electron Emission on the Langmuir Probe Characteristics," Jpn.J.appl.Phys.30. 2099-2100 (1991)
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[Publications] Amemiya.H and Fushs.G: "Range of Application of Asymmetric Double Probe," Jpn.J.Appl.Phys.30. 3531-3532 (1991)
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[Publications] Amemiya.H and Shigueoka.Y.: "Effect of Vibrational Temperature of Nitrogen on the Electron Energy Distribution Data," J.Geomag.Geoelet.43. 871-881 (1991)
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[Publications] 雨宮 宏,中村 良治,Shigueoka.Y: "Sー310ー20号ロケットによるD層の負イオン測定結果"" 宇宙科学研究所報告. 特集28号. 23-36 (1991)