1991 Fiscal Year Annual Research Report
アイコニック・ユ-ザ-インタ-フェ-スにおけるアイコンセマンティクスに関する研究
Project/Area Number |
03680032
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 稔 山口大学, 工学部, 教授 (40112023)
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Keywords | アイコン / ユ-ザインタフェ-ス / 視覚情報 / セマンティクス / システム構築環境 |
Research Abstract |
〈背景〉ワ-クステ-ションやパ-ソナルコンピュ-タでは視覚情報活用の一つの実現方式としてアイコン(絵シンボル)の使用が一般的となってきている.しかし,システム定義のアイコンの意味とユ-ザが受け取るアイコンの意味との食い違いがしばしば見られ,誤解や誤操作の原因の一つとなっており,この問題の解決が重要な課題になっている. 〈目的〉本研究では,アイコンの意味に関して,(1)システム定義での意味,(2)ユ-ザの立場での意味,について実験的検討を行なう.特に両者の不一致についてその原因を究明し,アイコニック・ユ-ザインタフェ-スにおけるユ-ザの誤解や錯誤を取り除くための知見を得ることを目的としている. 〈経過および成果〉(1)研究遂行のための実験環境として,アイコンシステム構築・実行環境をワ-クステ-ション(購入)上に構築した.アイコンは絵シンボルを定めた上部記述と,デ-タおよび機能を規定した内部記述より構成される.アイコンシステム構築環境では,システムデザイナに対して構成要素であるリソ-スの組み合わせでアイコンを定義・作成する機能が提供され,ユ-ザに対してはシステム定義のアイコンの内部記述をアプリケ-ションに応じて精細化できる機能が提供されている.(2)(1)の構築・実行環境を用い応用アイコンシステムを構築し,実験を行なった.同一のアイコンが応用分野の違いによりユ-ザの受け取る意味が異なることが明かとなった.(1)の機能を用いて応用に適したアイコンを定義できるが,半面アイコン間の一貫性を損なうという問題が生じた.特に,システム内でのアイコン間の定義に基づく階層性と応用分野における概念に基づく階層性との相違が重大であることが判明し,これを解決するためのアイコン管理の重要性を認識した.
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