1991 Fiscal Year Annual Research Report
コモンマ-モセットの発生毒性試験における応用性に関する研究
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03680044
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
小泉 均 実験動物中央研究所, 霊長類研究室, 室長代理 (80167395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 治子 実験動物中央研究所, 霊長類研究室, 部長 (80124270)
谷岡 功邦 実験動物中央研究所, 霊長類研究室, 室長 (10072406)
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Keywords | コモンマ-モセット / 発生毒性 / ビタミンA酸 |
Research Abstract |
1982〜1987年生れの動物で20ペアの実験群を作った。 分娩を指標にした短期間交配方法により、延78回の交配で29例の妊娠動物を作出した。妊娠率は37.2%であった。妊娠は、妊娠の40日目までに腹壁からの子宮触診によってその多くを確認することができた。 無処理置対照群として7例の妊娠動物を使用し、16匹の胎児を得た。こられの胎児の平均体重は10.2g、体長60.1mm、尾長57.8mmであった。主要臓器の平均重量は心臓が84mg、肺臓249mg、肝臓343mgであった。これらの胎児は摘出時すベて生存し、また、奇形も認められず正常であった。 陽性のコントロ-ル薬としてビタミンA酸を用い、妊娠50〜52日の間に30mg、300mg/kg/日(各々2例)および妊娠50〜56日の間に100mg(3例)、300mg/kg/日(2例)にそれぞれ経口投与した。流産が30mg3日間投与で全腹(2/2)、300mg7日間投与群で1腹(1/2)観察された。100mg7日間投与群で胎児死亡が1例(1/10)見られた。同群の外形観察では頭部(1/9)、下顎部(3/9)、手肢部(1/9)、脊椎部(1/9)、尾部(1/9)に異常が観察された。また、骨格標本の観察においては側頭骨(5/9)、下顎骨(4/9)、脊椎骨(1/9)、手肢骨(1/9)の異常が観察された。投与群の胎児の平均体重は300mg3日間投与群では10.6g、100mgおよび300mg7日間投与群ではそれぞれ8.3g、8.4gであった。体長は59.4mm、55.9mm、56.3mm、尾長は57.6mm、53.2mm、53.7mmであった。主要臓器の平均重量は心臓が87mg、70mg、59mg、肺臓が252mg、209mg、221mg、肝臓が365mg、300mg、244mであった。一方、組織病理学的検査において100mg7日間投与群の1例の肝臓および心臓に壊死巣が認められ、石灰化を伴っていた。さらに、肝臓には対照群に見られる随外造血が認められなかった。また、同例の腎臓の間質には軽度の出血があり、肺に肺胞の発達が未熟であった。その他には明らかな変化は見られなかった。
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