1991 Fiscal Year Annual Research Report
NdーFeーB系コンポジット結晶のインコメンシュレイト性の研究
Project/Area Number |
03680050
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大庭 卓也 帝京大学, 理工学部, 助教授 (00211110)
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Keywords | NdーFeーB / コンポジット結晶 / インコメンシュレイト |
Research Abstract |
NdーFeーBのBーrich相はNdのサブシステムとFeのサブシステムが相互に入り込んで出来ているコンポジット結晶であり、さらにそれぞれのサブシステムが変調を起こしていると考えられる。NdーFeーBの微結晶をとり出し、X線4軸回折計により、C軸に沿った測定をしインコメンシュレイトな結晶であることを確認した。 種々な熱処理条件によって得られた試料について、構造の周期が熱処理条件によりどの様に依存しているのかを電子回折により調べた。この結果熱処理条件と構造の周期との相関はないことがわかった。さらに、この実験によりNdとFeのそれぞれのサブシステムの周期を調べたところ、Feのサブシステムの周期は試料によらず、ほぼ一定なのに対し、Ndのサブシステムの周期は試料により異なっていることがわかった。さらに詳細に検討したところ、これは構造の周期がNdとFeのサブシステムの差によって生じていることを示しており、多数のサテライトピ-クが出現していることからも、二つのサブシステムが変調を起こしていることが明かとなった。 変調構造に対するベッセル関数を用いた取扱いを行い、二つのサブシステムからの干渉次について考察した。この結果二つのサブシステムが互いに独立に変調を起こしている場合には干渉次を持たず、サテライトピ-クが出現しないが、互いに相関を持って変調を起こしている場合には干渉次が値を持ち、多数のサテライトピ-クが出現することがわかった。 高エネルギ-物理学研究所放射光実験施設での異常分散を利用した実験による実験的にNdとFeのサブシステムからの寄与を分離することにも一部着手している。
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Research Products
(1 results)