1991 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者にとっての快適な居住環境性能の評価に関する研究
Project/Area Number |
03680074
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮野 道雄 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (00183640)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 正 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (70137181)
綿貫 茂喜 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (00158677)
|
Keywords | 高齢者 / 快適 / 生理反応 / 視認性 / 温冷感 / 聴覚 / 居住環境 / 安全 |
Research Abstract |
1.段差模型を用いた視認性実験を行った。これは、段差高さを0.5、1.0、2.0cm、段差の色は灰色とし、上段部分および段差部分の明度がN7,N6,N5,N4で、下段部分は全てN7の合計12種類の段差膜型を用意し、照度を1,5,10,50,100lxに設定して、その視認性を申告させるものである。被験者は、高齢者8名、大学生10名とし、両者の比較を行った。結果として、従来の視標に対する視認性評価と異なり、輝度対比が大きくなるほど、段差部分は平面的な黒っぽい帯としての認識はできるが、段差の立体感は認識できなくなり、高齢者の方がその傾向が強いことが明らかになった。 2.公立交通機関の乗り物内外における夏期の温熱環境の実測調査と移動等による環境の急変に対する生理反応の測定を行った。温熱要素としては、温度・湿度・気流を計測し、高齢者との比較のため今回選定した大学生4名(男女2名ずつ)の被験者に対する生理反応は、鼓膜および体表面(4点)の温度,心拍数,血圧の測定を行った。また、心理量を把握するために温冷感申告を行った。結果によれば、平均皮膚温の時間変化および温冷感に男女差が現われた。 3.公共階段および地下通路における輝度・照度分布など環境要素の測定については、通行案内板などの視認性で問題があると判断される場所で実測を行った。また、公共空間の駅構内または車内の放送の聴き取り易さについて実測を行い、周波数分析により検討した。さらに、実測結果をスライド,テ-プレコ-ダで再現して、高齢者・大学生それぞれ50名に対する評価実験を行った。その結果、案内板視認性については照度等の環境要因の他に案内板自体のデザイン、仕上げなどの要素がその内容判読に大きな影響を与えていることが確認された。車内放送については、走行者に対するアナウンスレベル、話し方の重要性が終摘できた。
|
Research Products
(1 results)