1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680077
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
小林 茂雄 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90137943)
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Keywords | 香り物質 / 精油 / 心理的効果 / 生理的反応 / 白内変動 |
Research Abstract |
香り物質は人の気分を変えたり、ストレスの解消に利用できることが古くから知られている。本研究では鎮静効果及び興奮効果があるといわれている植物性香り物質を中心に、香り物質の心理的効果と生理的反応の関係を調べようとするものである。この場合、香り物質が生体に及ぼす影響には日内変動のあることが予想される。 本年度は香り物質の生体影響について、一日のうちでどのように変動するのかを明らかにするため、心理的な感覚評価と生理的反応の面から実験を行ない考慮した。 心理的な感覚評価については、11種類の香り物質(8種類の精油及び精油成分、3種類の調味料・嗜好品)を用いて、朝の6時から夜の21時まで3時間ごとに、8人の健康な女子大生を被験者としてSD法による評価実験を行なった。その結果、全時間帯を統計した群において、快適感・陽気感・活発感・自熱感の4因子が因子分析により抽出された。また、オレンジ精油は最も快適で陽気であると感じられており、ヒバ材油は活発感が弱く感じられており、自然感が強く感じられていた。これらの物質の感覚評価は日内変動を有しており、9時から18時の活動期では早朝や夜に比べ香り物質を多元的に評価していることが明らかになった(この結果は第25回味と匂いのシンポジウムで発表)。 生理的反応については、3種類の香り物質(オレンジ精油、オイゲノ-ル、ヒバ材油)を用いて、6時、12時、18時に6人の健康な女子大生を被験者として、瞳孔光反射、心電図のRーR間隔、指尖脈波などの測定を行なった。その結果、オレンジ精油の吸入は副交感神経活動を高め生体を生理的にリラックスさせるのに対し、オイゲノ-ルの吸入はストレス状態を引き起こすことが示唆され、これらの反応には日内変動があることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)