1991 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者栄養教育における指針作成と効果判定に関する研究
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03680091
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Research Institution | Okayama Prefectural Junior College |
Principal Investigator |
吉田 繁子 岡山県立短期大学, 食物科, 助教授 (00149725)
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Keywords | 一人暮らし高齢者 / 農山村部 / 食物摂取状況 / 栄養素等摂取状況 / 食物消費構造 / 主成分分析 |
Research Abstract |
高齢者を対象とした栄養教育での指針作成のうち、本年度は農山村部一人暮らし高齢者の食生活、栄養摂取の特徴を明らかにするとともに、対象高齢者の持つ食行動(食品を選択し入手することから、摂取して栄養物にするまでの各過程)上の問題点を究明することを目標とした。 農山村部一人暮らし高齢者の食生活の特徴は、1.適性食品点数を充たしているのは、穀類・芋類・砂糖類と野菜類のみで、良質たん白質源の1、2群はともに0.6点の不足がみられる。2.主成分分析により対象の食生活を要約すると、アルコ-ル摂取の影響下にある食生活近代化度を表わす成分、食品選択上での食生活・栄養充実度を表わす成分など、5つの主成分が抽出でき、これらにより対象の食生活の81.2%が要約できた。3.高齢者の骨代謝に最も影響の多いカルシウム源である牛乳・乳製品利用摂取は、全く摂取しないものから5点摂取まで個体差が大きく、牛乳・乳製品教育の必要性が明らかになった。4.食事作りで困ることは「一人分は作りにくい」「献立を考えるのが面倒」等であった。5.自分の歯だけで咀しやくしているのは1割。5割が総入歯を装置しており、一部入歯の者は総入歯の者より、咀しやく困難な者が多かった。6.献立パタ-ンは17種類に分類され、主食・主菜・副菜の揃うパタ-ンは、朝11.4%、昼40.4%、夕30.7%と昼食が充実し、漬物のみられる献立は30.1%であった。7.対象の使用調理法は15種類に分類され、汁物、煮物、漬物が圧倒的に多く、食塩の過剰摂取につながっていた。などであった。 都市部一人暮らし高齢者の場合に比し、Key foodsが今少し明確になってこないので、重ねて分析を続け、明らかな指針を得たいと思う。
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[Publications] 吉田 繁子: "農山村における一人暮らし高齢者の食生活と健康について(その1)" 岡山県立短期大学研究紀要. 37. (1992)
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[Publications] 吉田 繁子: "農山村における一人暮らし高齢者の食生活と健康について(その2)" 岡山県立短期大学研究紀要. 37. (1992)
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[Publications] 吉田 繁子: "一人暮らし老人の食生活における地域差について" 栄養学雑誌又は栄養・食糧学会誌.