1993 Fiscal Year Annual Research Report
寝たきり老人の介護指標としての体動測定値の利用について
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03680092
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Research Institution | YASUDA WOMEN' COLLEGE |
Principal Investigator |
楠 幹江 安田女子短期大学, 教授 (40071609)
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Keywords | 寝たきり老人 / 体動 / A.D.L / 最大静止時間 / 介護指標 / 快適性 |
Research Abstract |
寝たきり老人の介護指標として、体動測定値を利用する是非について検討するために、調査および実験を実施したところ、以下の点が明らかとなった。 1)広島県における在宅の寝たきり老人数は、12,952名(1992年度調査)であり、65歳以上の老人の3.4%を占めているが、そのうちの78.9%は、75歳以上の後期高齢者であった。 2)寝たきりの状態における性差を検討するため、数量化理論第2類を用いて解析した結果、性差を判別する要因として、介護に関する要因が上位に上げられた。 3)寝たきり老人の体動測定値については、夜間における最大静止時間が重要であり、A.D.L(Ability of Daily Life)との関連が高い。両者の間には、相関が認められ(相関係数:0.5690、1%危険率で有意)、回帰式としては、y=0.005x+1.267が得られた。 4)A.D.Lは、2.4以下であることが望ましく、2.5以上では、特別な配慮が必要とされる。 5)寝たきり老人の介護に関しては、人的介護が不可欠であるが、衣環境に関していえば、褥瘡予防寝具の利用など物的介護も可能であると考える。
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[Publications] 楠,幹江: "寝たきりの状態における性差について" 安田女子大学紀要. 22. 165-172 (1994)
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[Publications] 楠,幹江: "睡眠の評価-体動などからみて-" 睡眠環境シンポジウム報告集. 9. 111-116 (1993)
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[Publications] 楠,幹江: "ヒトと眠りと衣生活(上)" 衣生活雑誌. 36. 39-47 (1993)
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[Publications] 楠,幹江: "ヒトと眠りと衣生活(下)" 衣生活雑誌. 36. 52-61 (1993)
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[Publications] 楠,幹江: "家政学用語辞典" 朝倉書店, 456 (1993)