1991 Fiscal Year Annual Research Report
情報概念と生命概念の相互関係についての歴史的・理論的研究
Project/Area Number |
03680095
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
横山 輝雄 南山大学, 文学部, 助教授 (80148303)
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Keywords | 情報 / 生命 / 進化 / 自己組織化 / プロト・バイオロジ- / 構造生義生物学 / 進化論的認識論 / フレ-ム問題 |
Research Abstract |
今世紀後半の最大の科学的業績としてのDNAの分子構造の発見と、コンピュ-タ-の実用化に伴う認知科学の成立が、情報概念と生命概念を統一的に把握することを通して、新たな自然観をさししめすことを明らかにするための研究を開始した。 本年度は、まずこの問題についての一次文献・二次文献を集めた。また特に近年刊行があいついでいる、欧米の生命論史、生物学の哲学、理論生物学、認知科学、人工知能研究に関する文献を、複写をも含めて重点的に集めた。またあわせてこの問題に関心をもっている研究者の研究書、論文等をも収集した。それらをふまえて今日の水準を把握するとともに、問題点を整理し、中問段階での成果をまとめ関係者と討論し、問題の所在と今後の展望を明らかにした。基本的には当初の計画通り研究が進んでいるが、一部の文献リストは、アンソロジ-が出され作成の必要がなくなり、また生物物理学関係、構造生義生物学関係にも視野を広げる必要が生じた。 情報の概念は、上記二領域だけでなく、哲学的意味論などでも使われており、また生命の進化、自己組織化渦程を扱っている理論でも、情報という用語が使われていない場合を含めて、内容的に同じ事柄が扱われていることもある。しかしながらこれらがどのような相互関連をもっているのかについては今後に検討する必要がある。また生命の概念は、進化と関連づけて、進化するものとして一般化する必要があることも明らかにされた。
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Research Products
(1 results)