1991 Fiscal Year Annual Research Report
持久力発現効果に及ぼす食環境の栄養生理的役割に関する研究
Project/Area Number |
03680119
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
屋代 正範 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (50145158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋代 彰子 九州女子大学, 家政学部, 講師 (10200487)
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Keywords | 絶食 / トリオレイン / オリ-ブオイル / オレイン酸 / 組織グリコ-ゲン / 脂肪酸 |
Research Abstract |
(目的)オリ-ブ油のグリコ-ゲン節約効果の機序を明らかにするために基礎的アプロ-チの一つとしてオリ-ブ油に多く含有する単価不飽和脂肪酸のオレイン酸が100%含まれるTriolein摂取群を設け,肝ミトコンドリアのリン脂質脂肪酸組成,血清エネルギ-基質レベル及び組織グリコ-ゲンレベルの変動について絶食負荷条件下で検討を行なった。(方法)動物は4週令のICR系雄マウスを用いた。実験食の脂肪源として各々20%の脂肪を含む食餌群すなわちTriolein群,Olive群及びCorn群を設けた。いずれの群も脂肪以外の食餌組成は同一であった。飼育期間中の食餌は1日2食制のmeal feedingで行なった。(結果)血清グルコ-ス値は絶食負荷によりCorn群で有意な減少が認められたのに対してTriolein群及びOlive群のそれは緩やかに減少した。血清遊離脂肪酸値は全群において絶食負荷後顕著な増加を示した。肝グリコ-ゲンは絶食負荷後Corn群及びTriolein群では有意な減少が認められたがOlive群では著明な変動は認められなかった。一方,筋グリコ-ゲンはCorn群では絶食により顕著に減少したがTriolein群及びOlive群ではほとんど減少が認められなかった。肝ミトコンドリアのphosphatidylcholin脂肪酸組成に占める主要な脂肪酸はTriolein群及びOlive群ではC_<18:1>の占める割合が大きくCorn群ではC_<18:2>が多かった。(考察)血中脂肪酸レベルがlypolysisによる脂肪組織からの脂肪酸の遊離と組織による脂肪酸の取り込みによって支配されていること及び脂肪組織の脂肪酸組成が摂取脂肪の脂肪酸組成を直接反映すること,さらにオレイン酸の体内利用が活発であることなどの知見も合わせて考えるならば本研究結果は,オレイン酸の組成比の高いTriolein及びOlive oilの摂取がエネルギ-基質としての脂肪酸利用を亢進し,結果として組織グリコ-ゲンの節約を促進したものと考えられる。
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