1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680136
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木村 定雄 千葉大学, 医学部・高次機能制御研究センター, 教授 (40134225)
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Keywords | エンドセリン / ビッグエンドセリン / エンドセリン変換酵素 / ホスホラミドン |
Research Abstract |
[中性金属型エンドセリン変換酵素の精製と特性解析] エンドセリンを産生するブタ肺を材料にして,その膜分画から,39残基の非活性型ビッグエンドセリンー1から活性型21残基のエンドセリンー1への変換活性をもつ酵素を精製し,その特性解析を行った。精製は疎水クロマトグラファ-,DEAE陰イオン交換,ゲルろ過クロマトグラフィ-を行った。 [結果]2種(M1,M2)のエンドセリン変換活性をもつ酵素を検出し,いずれも膜結合型中性金属プロテア-ゼであった。M1は糖タンパク質である,ビッグエンドセリンー1のみを切断し,他のビッグエンドセリンは切断せず、内皮由来の変換酵素とほとんど同一特性をもっていた。一方,M2は腎臓などに多く存在するプロテア-ゼ,ニュ-ロエンドペプチダ-ゼ24.11(NEP)と非常によく似ていた。M1酵素の阻害剤として,ホスホラミドンが有効であり,その有効濃度はμM濃度であり,NEPのnM濃度とは明かに異なっていた。 [考察]以上のことから,エンドセリン産生組織,肺には,エンドセリン変換活性をもつ金属プロテア-ゼが存在することが明らかになった。またビッグエンドセリンー1からエンドセリンー1への変換はホスホラミドン感受性であり,NEPとは異なるプロテア-ゼにより細胞内で起こることが示唆された。ホスホラミドンおよびその誘導体は,(1)一種の降圧薬となり得る可能性を示しており,(2)M1酵素選択的な阻害剤を開発すべきこと,(3)エンドセリンー1特異的酵素の存在から,さらに他のエンドセリンー2およびー3特異的酵素の在存する可能性が示唆された。
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[Publications] T.Sawamura,et al.: "Phosphosramidon inhibits the intracellular conversion of big endothelinー1 to endothelinー1 in cultured endothelial cells." Biochem.Biophys.Res.Commun.174. 779-784 (1991)
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[Publications] T.Sakurai,et al.: "cDNA cloning,sequence analysis and tissue distribution of rat preproendothelinー1 mRNA." Biochem.Biophys.Res.Commun.175. 44-47 (1991)
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[Publications] A.Saito,et al.: "Endothelins:vasoconstrictor effects and localization in canine cerebral arteries." Br.J.Pharmacol.103. 1129-1135 (1991)
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[Publications] Y.Tomobe,et al.: "Mechanism of altered sensitivity to endothelinー1 between aortic smooth muscles of spontaneously hypertensive and wisterーkyoto rats." J.Pharmacol.Exp.Ther.257. 555-561 (1991)
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[Publications] T.Masaki,et al.: "Molecular and cellular mechanism of endothelin regulation." Circulation. 84. 1457-1467 (1991)
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[Publications] 木村 定雄: "エンドセリンの構造活性相関とプロセシング" 蛋白質核酸酵素. 36. 2362-2371 (1991)