1991 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質工学的手法によるグアニジノ酢酸メチル基転移酵素の構造解析
Project/Area Number |
03680144
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
五味 知治 富山医科薬科大学, 実験実習機器センター, 助教授 (40135033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 基二 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30030000)
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Keywords | メチル基転移酵素 / グアニジノ酢酸メチル基転移酵素 / Sーアデノシルメチオニン / 蛋白質工学 / 部位特異的変異導入 |
Research Abstract |
現在までに多数のメチル基転移酵素の一次構造が報告されているが、三次構造の解明されたものは無く、また共通の基質であるSーアデノシルメチオニン(AdoMeb)の結合領域も見出されていない。そこで、グアニジノ酢酸メチル基転移酵素(GAMT)の蛋白質工学により、AdoMet結合部位の検索と結晶解析の基礎作りを行なった。 1.AdoMet結合部位の検索。 (1)ー次構造既報の動物組織由来の6酵素には、2つの共通配列、Leuー(Asp/Glu)ー(Ile/Leu/Val)ーGlyーXaa‐GlyーXaaーGly(a)とLeuー(Arg/Lys)ーProーGly‐XaaーLeu(b)とが存在することを見出した。2つの配列は一次構造上の位置も類似している。デ-タベ-ス検索によると、両配列のうち特にbの配列はこのグル-プに特徴的で、またab両配列を持つのはこの6酵素だけであった。 (2)bの配列の意義を解析するため、GAMTの当該配列Leu^<159>ーLysーProーGly‐GlyーIleーLeu^<165>のうち、Lys^<160>、Pro^<161>、Gly^<162>、Gly^<163>、およびLeu^<165>をそれぞれMet、Gly、Ala、Ala、およびGlnに置換した5種の変異酵素を調製した。いずれの変異酵素も野性型と同等の活性を示し、基質に対するKm値や特異的阻害剤に対するK_1値にも大差は無かったが、野性型への基質結合時に起るN未端領域の構造変化が、変異導入によっても引き起されることが明らかになった。したがって、bの領域はAdoMet結合や触媒機能に直接関与しないが、活性中心あるいはその近傍に存在し、活性中心の構造形成に間接的な寄与をしているものと考えられる。 2.酵素の安定化と結晶化。 GAMTは空気酸化に対して不安定だが、Cys^<90>をAlaに置換した酵素C90Aは、触媒能は野性型と同等で、安定性のみ向上していた。そこでC90Aと野性型酵素とを大量に精製し、現在EMBLの研究者と協同でX線解析のための結晶化を進めている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Gomi,T.,Tanihara,K.,Date,T.,and Fujioka,M.: "Rat guanidinoacetate methyltransferase:Mutation of amino acids within a common sequence motif of mammalian methyltransferase does not affect catalytic activity but alters proteolytic susceptibility" International Journal of Biochemistry.