1992 Fiscal Year Annual Research Report
酵素タンパク質合成の異常昂進を伴う遺伝病に関する研究
Project/Area Number |
03680157
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
舩越 育雄 京都産業大学, 工学部, 教授 (10025702)
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Keywords | ヌクレオチドピロホスファターゼ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
1.ヌクレオチドピロホスファターゼのゲノム遺伝子のクローニング----クローニングベクターとしてEMBLを用いたときは、目的の遺伝子の5'非翻訳領域、およびその隣接領域を含むクローンを拾うことができなかった。そこで今回はゲノムDNAをBamHIで消化し、COSMIDベクター(pME15)またはP1ファージベクターSacBII組み込んで、この未同定部分のクローニングを試みた。しかし、cDNA由来のプローブを用いたスクリーニングによっても、また遺伝子歩行の手法を用いることによっても、この部分を含むクローンを拾うことができなかった。現在、ゲノムDNAを消化する制限酵素をほかのものに換え、クローニングを続けている。 2.転写におよぼす5'非翻訳領域、5'隣接領域の影響----ヌクレオチドピロホスファターゼの5'非翻訳領域、5'隣接領域のクローニングができなかったため、本実験は中止し、cDNAを用いたヌクレオチドピロホスファターゼの発現実験を行った。これは、第一には得られているcDNAが間違いなく本酵素のものであるかどうかを確認するためであり、第二には開始コドンの確定を行うためである。まず二つのcDNAクローンを連結し、フルレングスのcDNAを作成した。これを動物細胞発現ベクターであるPMSGに取り込み、ポリブレンを用いてCHO細胞にトランスフェクトした。細胞をクローン化したのち、おのおののクローンについてp-ニトロフェニルチミジル酸を基質としてヌクレオチドピロホスファターゼを測定したところ、活性が著しく高いクローンがいくつか得られた。この活性はデキメタゾン存在下で細胞を培養することによりさらに大きく上昇することからPMSGの挿入したcDNAによるものと思われる。SDS-PAGEでも分子量約13万のヌクレオチドピロホスファターゼが発現していることが確認された。
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