1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
工藤 一郎 東京大学, 薬学部, 助教授 (30134612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 誠 日本学術振興会, 特別研究員
原 俊太郎 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | ホスホリパ-ゼA_2 / 速度論的解析 / 肝障害 / 肥満細胞 |
Research Abstract |
哺乳動物14kDaグル-プII型ホスホリパ-ゼA2は、炎症部位侵出液、血小板や肥満細胞の刺激上清から精製されてきた。また、障害を受けた臓器中で活性化していることをみつけた。本研究では14kDaII型酵素の活性制御について以下の解析を行った。 1)14kDaII型酵素の活性機構:精製ラットII型酵素が放射標識した大腸菌由来のホスファチジルエタノ-ルアミンを加水分解する反応に、基質アナログであるテトラデシルホスホコリンを添加したところ、添加量依存的に酵素活性が上昇した。アナログ添加の反応のカルシウム依存性は無添加に比べて低かった。膵臓由来の消化酵素である哺乳動物14kDaI型ホスホリパ-ゼA2を用いた解析では、同様な反応は観察されなかった。 2)障害臓器のII型酵素促進脂質:ラットの四塩化炭素誘導障害肝臓でII型ホスホリパ-ゼA2が活性化することを見いだしている。障害肝臓から脂質画分を抽出したところ、基質アナログの場合と同様なII型酵素の活性化が観察された。臓器障害にともなう脂質過酸化反応により、II型酵素活性化脂質が生産されたと予想している。 3)活性化肥満細胞のII型酵素促進脂質:抗原抗体複合体で刺激された肥満細胞はII型ホスホリパ-ゼA2を細胞外に放出した。また、II型酵素を特異的に阻害することを既に明らかにしている阻害剤(特異抗体、リコンビナント補体分解物、微生物由来低分子物質)が、肥満細胞の脱顆粒反応を阻害した。活性化肥満細胞から抽出した脂質画分には、上記のアッセイ条件下でII型酵素活性を促進する活性が見いだされた。未刺激肥満細胞の脂質画分には見られなかった。活性化のごく初期段階に細胞外に少量放出されたII型酵素がこの酵素促進脂質によって活性化されることが、引続き起こる脱顆粒反応過程の進行に必須であると予想している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 原 俊太郎: "細胞外ホスホリパ-ゼA_2によるプロスタグランジンE_2産生の亢進" J.Biochemistry. 110. 163-165 (1991)
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[Publications] 高山 喜好: "ヒト精漿中からの14kDaグル-プII型ホスホリパ-ゼA_2の検出" Biochem.Biophys.Res.Commun.178. 1505-1511 (1991)
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[Publications] 村上 誠: "II型ホスホリパ-ゼA_2により肥満細胞脱顆粒反応の抑制" Biochem.Biophys.Res.Commun.181. 714-721 (1991)
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[Publications] 高橋 勝彦: "哺乳動物II型ホスホリパ-ゼA_2の活性化機構"
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[Publications] 高橋 勝彦: "四塩化炭素誘発障害肝臓の脂質分析:II型ホスホリパ-ゼA_2活性促進分子の同定"