1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680172
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
味園 春雄 高知大学, 農学部, 教授 (30027073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 信治 高知大学, 農学部, 助教授 (60180494)
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Keywords | リジン脱水素酵素 / 化学修飾 / クロ-ニング |
Research Abstract |
リジン脱水素酵素は、基質リジンによって二量体から四量体に会合して、活性化されるユニ-クなアロステリック酵素であり、触媒部位のほかにエフェクタ-結合部位が存在している。このユニ-クな脱水素酵素の触媒機能を構造との相互関係の上にたって解明するために、既に確立している方法で酵素を大量に精製し、二量体酵素と四量体酵素を用いて、種々の化学修飾試薬による触媒活性を調べた。特に、エフェクタ-結合部位に塩基性アミノ酸残基の存在が示唆されているので、アルギニン残基をブタンジオ-ルやフェニルグリオキザ-ルで、ヒスチジン残基をジエチルピロカ-ボネ-トで、リジン残基をピリドキサルリン酸で修飾したところ、ピリドキサルリン酸は、二量体酵素のみに影響を与え、エフェクタ-結合部位にリジン残基の存在が示唆された。そこで、二量体酵素をピリドキサルリン酸で処理後、NaBH_4で還元固定化し、BrCN処理した後、逆用カラムを用いて、ピリドキサルリン酸結合ペプチドを単離した。気相シ-クエンサ-を用いて、この単離したペプチドのアミノ酸配列の決定を試みたが、ペプチドが少なすぎたためアミノ酸配列を決定するまでには至らなかった。また、本酵素の構造遣伝子のクロ-ン化を行い、本酵素のN‐末端アミノ酸配列から類推されるDNAプロ-ブを用いてクロ-ン株の検出を行う予定であったが、調製したプロ-ブがAgrobacterium tumefaciensのDNAとハイブリッドを形成しなかった。そこでショットガン法でpUC18をベクタ-として用い、E.coli JM109にクロ-ン化を行い、4,000株の組換え体の中から1株の本酵素活性を有するクロ-ン株を得ることができた。制限酵素地図を作成し、サブクロ-ン化を行い、約3.0kbのHindIIIーXhoI挿入断片を有するpKUKD19‐3を得ているが、本酵素の構造遣伝子の塩基配列を決定するために、さらにサブクロ-ン化、並びにプラスミドのデレ-ションを行っている。
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