1992 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体ATP合成酵素CF_0CF_1の活性化状態の変化と高次構造変化の解析
Project/Area Number |
03680177
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Research Institution | TEIKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高木 みづほ 帝京大学, 薬学部, 助手 (00112764)
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Keywords | 葉緑体ATP合成酵素 / 光活性化 / 高次構造変化 / リシン残基 / ピリドキサールリン酸 / アミノ酸残基の化学修飾 / Eサブユニット / 活性化状態 |
Research Abstract |
葉緑体チラコイド膜を光照射すると膜上のATP合成酵素CF_0CF_1のEサブユニットのリシン-109の反応性が著しく増大すること、消光後の暗所ではE-Lys-109の反応性は二相性を示しながら元のレベルにまで戻ること、これらの結果はCF_0CF_1がエネルギー状態に依存して少なくとも三つの異なった高次構造E_H,E_M,E_Lをとっていることを示唆していることを筆者は昨年度までに明らかにしてきた。本年度はE-Lgs-109の反応性の光照射下での挙動、ATP合成活性およびATP加水分解活性とE-Lys-109の反応性とのかかわり、CF_0CF_1のADPに対する親和性とE-Lys-109の反応性との対応等を詳細に検討することにより筆者は以下の点を明らかにした。CF_0CF_1はエネルギー状態に応じて4つの異なった高次構造E_H^*,E_H,E_M,E_Lをとっている。E_H^*形成のためには高い膜電位△Ψが必要であり、E_H形成のためには△Ψとプロトン濃度匂配で△PH(あるいはチラコイド膜内部の酸性化)の両方の条件が必要であり、E_M形成のためには△Ψ、△PHいづれでもよい。E_Lの形成、保持のためにはエネルギーを必要としない。E^H^*、E_MはともにADPに対する親和性が高くATP合成的に高い活性を示す。E_HはADPに対し低い親和性しか示さず、ATP合成的にも低い活性しか示さない。ELはATP合成的に不活性である。ATP加水分解的に活性な状態は、ATP合成的に活性な状態とは同一ではない。CF_0CF_1のrサブユニットが還元された状態にあり、かつ触媒部位にADPが結合していない条件のもとではCF_0CF_1はその高次構造にかかわりなく、E_H^*、E_H、E_M、E_Lいづれの状態にあっても高い活性を示す。
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Research Products
(1 results)