1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680188
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杤山 修 東北大学, 工学部, 助教授 (70005479)
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Keywords | アルミニウム鉱物 / 含水酸化物 / ネプツニウム / 地中移行 / アミノカルボン酸 / 錯生成定数 / 収着 / 安定度定数 |
Research Abstract |
本研究では、地層構成成分とアクチノイドの相互作用の本質を理解するために代表的な無機成分として金属酸化水酸化物、有機成分として種々有機化合物を選び、それらの性質が相互作用に及ぼす影響を検討することを目的としている。前年度においては、Feの酸化物、水酸化物および有機カルボン酸に注目し、Np(V)との相互作用を調べた。本年度はこれに引き続き、Alの酸化水酸化物、含窒素カルボン酸とNp(V)との相互作用を検討した。 (1)アルミニウム試料として、合成水酸化アルミニウム(2種類)、粉末酸化アルミニウム、鉱物ギブサイト、鉱物ダイアスポア、合成鉱物コランダムを選び、これらに対するNp(V)の分配挙動を、粒度、pH等を変化させて調べた。また試料を種々の温度で熱処理してそれらのX線回折、表面積測定、熱分析等を行い、分配との関連を調べた。この結果分配は表面の活性状態と表面積の両者に依存するが、これらは結晶形、結晶性、粉砕操作、熱成等により複雑に影響を受けるため明確な因子の分離はできなかった。 (2)有機物に対しては、Np(V)と種々の含窒素カルボン酸(α-ピコリン酸、ジピコリン酸、オキシンスルホン酸、IDA、NTA、EDTA、グリシン、アラニン)との錯体の生成定数を溶媒抽出法により決定した。この結果、立体的状況が許せば、窒素原子は錯生成に有効に関与し、生成する錯体の安定度を増加させるが、4座以上の配位はネプツニルの直線上に配位した2つの酸素による立体障害により起こらず、IDA、NTA、EDTAでは安定な1:1錯体のみが形成されることが分かった。
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Research Products
(1 results)