1991 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内地区における主要造船所の閉鎖・縮小の再編成過程
Project/Area Number |
03680204
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
村上 雅康 関西大学, 文学部, 教授 (20015829)
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Keywords | 新大型造船部門の閉鎖 / 造船所の生産内容の変化 / 退職従業者 / 転職業種 / 転職先住所 / 職業講習 / 下請関連工場の変容 / 地域経済への影響 |
Research Abstract |
当初予定していた退職従業者の転業実態調査は、調査表を作成配布して回収し、サンプル面接調査を行う予定でいたため、典型的な例のみを追跡調査して分析するつもりであった。平成3年度は幸いにも相生と因島の両職業安定所の「特定不況業種離職者の求職手帳発給台帳」を閲覧できることとなり、それを転写するのに時間と労力及び調査研究費も多く使用した。その結果,今年度の調査地域を相生と因島の両地区のみとして,坂出地区は平成4年度に順延せざるをえなくなった。このため,全体の調査地域と6地区から4地区へ変更することとなった。 また、離職者の求職手帳発給台帳は、個人のプライバシ-にかかわる部分も多いため,記号化して転写する必要があり,その手間と労力が多く必要であった。但し、この資料を集計して使えることにより、何十才台で何年間造船所で働いた人がどこへ再就職したかの追跡調査が,相生職安と因島職安を通した退職者については悉皆調査が可能となった。既存の地理学教室にあるパソコンを使用することにより、これらの資料を入力しての数量的分析が可能となったが、これらにも今後にアルバイト代が必要となった。 IHI相生事業所2600名の退職者のうち、約2000名が相生職安管内で求職しており、途中までの分析の結果は45才以上の退職者の再就職は極めて困難であったこと。前職と再就職先の賃金差は大変大きく,中には半分程度の者もいた。講習を受けた調理師や造園業の免許も余り効果がなく、これらの業種の転業は非常に少なかったこと。ガ-ドマンや建設業関係への転業が多かった。因島職安管内は島嶼部の愛媛県生名・弓削・岩城地区を含み、3000名以上が求職している。相生地区と異って、地区内では同業種への転職が多く、多くの退職者は島嶼部外にも転居していった例が多くみられた。(途中経過の分析より)
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