1991 Fiscal Year Annual Research Report
扇状地における地下水位変動のモニタリングに関する研究
Project/Area Number |
03680207
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
肥田 登 秋田大学, 教育学部, 教授 (70015832)
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Keywords | 地下水 / ピエゾメ-タ- / 地下水涵養 / モニタリング / 扇状地 |
Research Abstract |
本研究では、秋田県六郷扇状地を例に、扇央の地下水涵養域と扇端の地下水利用域の2地点に深さの異なるピエゾメ-タ-(水理水頭観測中)を置いて、地下水位変動のモニタリングに関する研究を行う。平成3年度に行った研究の手順と知見等は次のとおりである。 1.扇状地全域の測水に基づいて地下水面図を作成した。その結果、地下水の流動方向は、扇面の最大傾斜と一致していることが明らかになった。 2.空中写真、既存の地質柱状図の判読および現地調査により、扇面の微地形を判定し、扇状地形成時における乱流河道の位置を推定することができた。 3.上の1〜2の調査結果に基づき2か所のピエゾメ-タ-の位置を決定した。1か所は扇央の野中地光、1か所は扇端六郷市街地のほぼ中央部である。この2か所にそれぞれ深さ50mのピエゾメ-タ-を設置した。これに加えて、この2か所に隣接して置かれている六郷町のピエゾメ-タ-(各100m,20m深)を併用した。 4.深さの異なるピエゾメ-タ-(20,50,100m)の地質柱状図から六郷扇状地の地質構造を見ると、わずか1m程度の距離の範囲内においても、砂礫層、粘土層などが連続しているとは限らないことが判明した。 5.深さの異なるピエゾメ-タ-間の水理水頭には、扇央部、扇端部ともに明瞭な違いが現れていることが認められた。各位置のピエゾメ-タ-間の水理水頭差は、地下水位の上昇期と下降期によってそれぞれ異なる。 6.今後は、2か所のピエゾメ-タ-群の水理水頭を継続的に観測、記録し、平成4、5年度にむけて「地下水位変動のモニタリングに関する研究」の最終的な成果に結びつけてゆく予定である。
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Research Products
(1 results)