1992 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーレーダーによる広域化した都市のヒートアイランドの空間構造に関する研究
Project/Area Number |
03680208
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
甲斐 憲次 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50214242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿保 真 東京都立大学, 工学部, 助手 (20167951)
河村 武 筑波大学, 地球科学系, 教授 (20111362)
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Keywords | レーザーレーダー / ヒートアイランド / 環八雲 |
Research Abstract |
1.都市気候資料の収集と解析 :最近、東京都の環状八号線道路上空付近に主として夏季に発生する雲(環八雲)に着目し、その発生日の気温・風向・風速などを調べることによって環八雲の発生要因を気候学的に解明した。環八雲は、(1)相模湾からの南寄りの海風と東京湾からの南南東寄りの海風とが環状八号線付近で合流し収束帯を形成すること、(2)日中、環状八号線付近にヒートアイランドが出現すること、以上二つの条件が重なりあって形成される雲であると考えられる。 2.レーザーレーダーの機能増設および都市境界層の観測 :初年度は、高出力半導体レーザーを増設してパワーアップをはかり、レーザーレーダーの観測精度が大幅に改善された。夜間の観測では、地上3kmまでのエアロゾルおよび地上12kmまでの雲の空間分布が測定ができることが判明した。日中の観測では、地上2kmまでの雲の雲底高度を測定することができた。第2年度はつくば市の気象庁高層気象台において、レーザーレーダーとカイツーンの同時観測を実施した。エアロゾルをトレーサーとして、夜間の都市境界層の微細構造とその時間変化を連続的にとらえることができた。1993年12月の観測例では、ダストアイランドの高さは地上約500mで、この高さで周期約3時間の波動的な現象がみられた。 3.環8雲の観測と解析 :1993年7月下旬、東京都世田谷区砧公園を中心に5カ所で環8雲の観測を行った。前年度の気候学的解析からも明らかになった、二つの発生条件、すなわち(1)地形効果による海風の収束および(2)ヒートアイランド循環による収束が重要であることが判明した。低層ゾンデの観測によると、環八雲の出現高度は約1500mであり、従来報告された観測例よりも約500m高かった。 4.まとめ :観測および気候学的解析により、環八雲の発生条件が明らかにされた。また、本研究で開発された、可搬型レーザーレーダーは、エアロゾルをトレーサーとして都市境界層の現象解明に役立つ。
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[Publications] 日置江 桂,甲斐 憲次,河村 武: "環状八号線道路上空に発生する雲(環八雲)に関する研究" 日本地理学会予稿集. 43. (1993)
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[Publications] 甲斐 憲次,下田 晋也,阿保 真: "高出力半導体レーザーを用いた可搬型ライダーの開発とフィールド観測への応用" 日本地理学会予稿集. 43. (1993)
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[Publications] KAI,K.,SHIMODA,S,ABO,M.: "Development of a portable lidar system and its application to field measurements" IAMAP・IAHS‘93. (1993)