1992 Fiscal Year Annual Research Report
地表面蒸発散に伴う不飽和帯中の水・熱の移動に関する研究
Project/Area Number |
03680212
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
開發 一郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (60160959)
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Keywords | 水分特性 / SPAC / 蒸発散 / 地中熱フラックス / 土壌水分フラックス |
Research Abstract |
本年度は主に、前年度からの野外観測結果の解析,観測地土壌の水分特性測定室内実験,SPAC(土壌-植物-大気連続系)の水分移動の数値実験モデルの改良を行うことを目的としたが,得られた成果をまとめると以下の様になる。 1.野外観測結果の地中温度,地中熱流量の測定データを基に地中熱フラックスの解析を行なった。その結果,夏季は日変化はあるものの平均的には深度60cmまで下向きの熱フラックスが見られ、秋季には深度60cmと30cmの間に熱の収束面があることが分った。 2.野外観測データでは十分ではなかった土壌水分特性曲線の圧力水頭と水分量の関係(h-θ)および圧力水頭と透水係数の関係(h-K)を室内コラム実験を行って調べた。その結果、中・高水分領域でのh-θおよびh-Kが明確になり(排水過程・等温条件下),水分フラックス計算や数値シミュレーションにも基本パラメータとして役立つことになった。 3.前年度試作したSPACの数値実験モデルを種々の境界条件下で検討し、野外観測結果との比較検討を行ないながら改良を進めた。とくに、根による吸い上げ項の物理的考察を行ない、吸い上げ項と植物の葉面積指数との関係に注目してその関係を数値実験モデルに組み入れた。また、吸い上げ項と蒸発散量計算値との関係についても調べ、Penman‐Brutsaertの方法で求めた蒸発散量の何割になるかの検討を行ない、それに応じて種々の計算を試みた。その結果、観測値と計算値を比較すると土壌水分フラックスの量的問題は残ったが、発散・収束ゼロフラックス面の日単位での挙動の再現はかなり満足のいくものであった。
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