1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680243
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Research Institution | Fukui University |
Principal Investigator |
柳本 成一 福井大学, 教育学部, 教授 (20042971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 亮哉 福井大学, 教育学部, 教授 (40008032)
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Keywords | テスト / 教授・学習過程 / 数学教育 / 幾何学習 / 評価法 / コンピュータ |
Research Abstract |
(a)自らの手で、問題を見つけたり、つくったりして、それを解決していく能力・態度を育成することの重要性がことあるごとに指摘されながらそうした能力・態度を育てる学習指導法の原理も評価方法も確立されていない。その原因は生徒達に数学をつくらせる方法が明確にされなかったことにある。“A Four-Step Process for Meeting the Needs of All Students in the Geometry Classroom"において、生徒達が自らの手で幾何学的命題とその証明を同時につくり上げていくことができる学習指導法の原理を示すことができた。 更に、「数学的思考を進展させるための5つの活動に関する測定と評価」において、上記の原理に基づいて、生徒達が自らの手でいくつもの幾何学的命題とそれらの証明を同時につくり上げていくことができるような授業の設計原理を明確に示すことができた。 (b)平成四年度における最大の成果は何といってもコンピュータによる生徒達の(幾何学的命題とその証明をつくり上げていく)思考過程の復元の成功である。 生徒達が、コンピュータのディスプレイ上にマウスを操作するだけで幾何学的命題とその証明をつくり上げていくことができる。そのようなソフトウェアを開発した。 コンピュータがそのプロセスを正確に記録していることを利用するのである。 このように、数学的思考過程を正確に復元して、それを評価していく方法は、従来の知識・技能中心の評価から個の特性を明かにし、それを活かしていく全く新しい評価を生み出していくであろう。 それは、単に評価にとゞまらず、新しい数字の授業研究の方向を示すものとしても注目されている。
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[Publications] 柳本 成一: "複数の命題とそれらの証明を同時につくり上げていく数学の授業" 日本科学教育学会年会論文集. E125-126 (1992)
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[Publications] 柳本 成一: "数学的シチュエーションにおける多方的アプローチ" 日本教育大学協会研究集会発表要旨. 32-34 (1992)
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[Publications] 柳本 成一: "数学的思考を進展させるための5つの活動に関する測定と評価" 日本教育工学会研究報告集(JET). 93-1. 19-24 (1993)