1992 Fiscal Year Annual Research Report
身近な物質を材料とする学生実験教材の開発ー薄層クロマトによる高分子材料の同定ー
Project/Area Number |
03680255
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Research Institution | SYOWAGAKUIN Jr.COLLEGE |
Principal Investigator |
小川 悦代 昭和学院短期大学, 一般教育, 助教授 (70086370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 千恵 昭和学院短期大学, 被服科, 助手 (20213051)
板垣 昌子 昭和学院短期大学, 被服科, 助手 (30152218)
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Keywords | 薄層クロマト / 分子量 / 高分子 / ポリスチレン / ポリエチレングリコール |
Research Abstract |
昨年度に引続き、主として生活科学系の学生を対象とする学生実験教材開発の観点から、薄層クロマトグラフィー法を用いた高分子材料の分子量測定について検討した。測定の対象には、現在最も繁用的に用いられている高分子の一つであるポリスチレンと、医薬品の軟膏基剤などに多用されている親水性高分子のポリエチレングリコールを選んだ。種々の分子量をもつ市販のポリスチレン試料について、市販シリカゲルプレートを使用してベンゼン・シクロヘキサン・アセトン系で実験を行い、分子量による分離に最適な実験条件を調べ、分子量測定のための検量線を作成した。次に、身近にある高分子工業製品、梱包剤の発泡スチロール、使い捨て食品パック、フロッピーディスクケース、接着剤などを用いて実験を行い分子量やその分布を調べた。得られた結果をゲルパーミェーションクロマトグラフィー測定から得た値と比較したが大体において一致しているようであった。ポリエチレングリコールについても市販の試料(マクロゴール)を用いエチレングリコール・メタノール系で展開実験を繰り返して分離に最適な条件の検討を行った。さらに種々の家庭医薬品や化粧品を用いて実験を行うことによりそれらに含まれるポリエチレングリコールの分子量を同定した。以上の実験について学生有志に追実験を依頼し意見を聞き反応を調べるとともに、教材化についてその有効性を考察したが、何れも生活科学系学生を対象とする学生実験教材として有効であり、特に高分子科学を学ぶための導入実験として役にたつ、との結論を得た。
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