1991 Fiscal Year Annual Research Report
中等教育における化学実験と科学的思考能力の育成との関連に関する調査研究
Project/Area Number |
03680256
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
松原 静郎 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50132692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猿田 祐嗣 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究員 (70178820)
三宅 征夫 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50000071)
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Keywords | 高等学校 / 化学教育 / 個人実験 / 生徒実験 / 科学観調査 / 思考能力 / 教師調査 / 調査研究 |
Research Abstract |
科学的思考を必要とする実験項目の選定と育成方法を検討するため,東京地区の高等学校から4教諭と新潟県および栃木県の教育センタ-指導主事二人を研究協力者とした。調査対象は東京,新潟,栃木から計6の普通高校を選び,2学年の複数のクラスを対象とした。 1学期は事前調査としての科学観調査と,個人実験を中心とした5テ-マの化学実験から1テ-マを実施し,2学期は2テ-マの実験を,各校の進度に合わせて実施した。3学期には事前調査と同様の科学観調査および実験テストを実施した。また,生徒の関心や意欲,態度の変化をみるため,毎回簡単な質問紙調査を実施し,教師に対しても教師からみた生徒の実験に対する態度や教師の手間などに関する項目を調査した。 今回の実験調査に対する教師質問紙への回答では,実験のテ-マにより,個人実験を適当とするテ-マと不適当をするテ-マが見られ,今回適当とされたテ-マは,いろいろな種類の溶液を必要とする実験であった。 これらの調査と並行して,思考能力の育成を主眼とする実験項目の開発をさらに進めていった。現在,これまでの5テ-マに加え,3テ-マの実験教材が完成している。実験教材の作成および実施の際は,全体像を把握しやすいよう実験の概要を記載し,また,操作の説明はなるべく簡潔にすること,器具等を自由に使用させるため,器具の使用方法に影響を及ぼしやすい図などはなるべく少なくすること,実験結果の予想など,生徒自物で考えさせる項目を入れること,試薬量などを考慮して少量実験を採用し、器具はパレットなどの廉価な消耗品を使用することなどの配慮をした。 また,思考力の育成に関連して,以前からの調査を基に資料「高校化学における生徒の思考」を作成した。
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