1992 Fiscal Year Annual Research Report
中学校における数学の認知的学力と情意的学力との間の因果的優越性
Project/Area Number |
03680258
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
湊 三郎 秋田大学, 教育学部, 教授 (20042278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 次男 秋田大学, 教育学部, 教授 (90185976)
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Keywords | 数学教育 / 中学校 / 認知的学力 / 情意的学力 / 因果的優越性 / 因果的方向性 / CLPC法 |
Research Abstract |
平成4年度はほぼ計画通りの研究が遂行できた。調査は,平成3年度に1年生であった被験者に今年度2回実施した。今年度第1回(通算第3回)の調査は平成4年7月の夏季休業前に,第2回(通算第4回)の調査は平成4年12月の冬季休業前に,平成3年度に実施した秋田県県北地区に位置する四中学校において,数学担当教諭によって実施され,実施後に調査用紙をすべて回収している。この資料は現在分析中である。 両調査のうち,今年度第1回の7月調査において四中学校中の一中学校の調査の一部が全県の体育大会と重なったため,欠席者が多くなった。この学校の今年度第1回の調査を除外するべきか否かは現在検討中である。他の三中学校では調査は順調に行われている。なお,仮にこの一中学校の7月調査を除外しても,通算第3回の調査を一方に含むCLPCの対に関しては被験者の人数がその他より減じ,結果に当初予定していただけの強さが望めないが,その他の対に関してはこのようなことはなく,今研究の全体計画に重大な影響を及ぼすことにはならない。 今年度は平成3年度の調査で得た結果にCLPC法を適用して因果的優越関係を分析することがあり,この分析を実行した。結果は,中学校1年生では認知的学力が情意的学力に影響を及ぼす方向性が優勢であり,かなりの一貫性を得た。さらに全35対中の12対において統計的に有意と判定され,しかもこの方向性はすべて認知的学力が情意的学力に影響を及ぼす方向であった。 この分析結果を,平成4年11月14日に岡山大学で開催された第25回数学教育論文発表会分科会Hにおいて口答発表し,同論文集PP.487-492に掲載した。なお,今回の研究の先駆をなす我々の研究の結果をまとめて平成4年8月に米国ニューハンプシャ州立大学で開催された第16回PMEで口答発表し,米国JRMEへの投稿をすゝめられた。
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Research Products
(1 results)