1992 Fiscal Year Annual Research Report
小学校算数科における計算及び見積もり指導の問題点とその改善について
Project/Area Number |
03680261
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
伊藤 説朗 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30117329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 美憲 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (90226259)
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Keywords | 計算指導 / 電卓 / 見積もり / カリキュラム |
Research Abstract |
(1)計算指導に関する意識調査 ・小学校教員は「計算の意味を理解し、式を立てることができる」ことや「筋道を立てて考えること」を計算指導の目標として重視しており、これに対して「速く、正しく計算ができるようになる」ことはあまり重視していないことが分かった。 ・計算の指導内容を削減すベきだと考えている人は、小学校教員の70%をこえている。また、筆算としては、3位数以上の乗法・除法及び帯分数の計算はあまり大切ではないと見なす人が多いことも分かった。 ・電卓の導入については、電卓を導入したいと思うが、その目標や方法が不明確であると捉えている人が過半数に達している。電卓の一層の利用については、賛否が半々に分かれた。 (2)実験授業及び調査 電卓を導入した計算指導へと切り替えるために、電卓の使用方法、見積もりの仕方とその利用、及び見積もりに必要な暗算の指導について、どのような授業を実践すればよいか。この課題を解明するための実験授業と、その授業後の児童の実態調査とを実施した。 (3)計算指導カリキュラム 第1学年〜第6学年までの計算指導のカリキュラムを作成した。第2学年から電卓を導入し、複雑な筆算は削除し、電卓による計算処理へ移行した。その際、筆算のアルゴリズムを指導することが、数学的な考え方の育成など算数科の目標から見て教育的価値が認められるのは、どの範囲であるかを確定した。そして、電卓による計算処理には見積もりを並行して行わせることにし、これにより計算結果の大まかなチェックができるようにした。
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