1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03680263
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
久住 和麿 新潟大学, 教育学部, 教授 (20018154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水戸 博道 新潟大学, 教育学部, 助教授 (60219681)
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Keywords | コンピューター音楽 / 和声 / 作曲法 / 楽式論 / ソルフェージュ / 音楽教育 / 音感覚 / 音楽能力 |
Research Abstract |
前年度研究では、現在市販されている音楽ソフトで、どのような音楽学習が可能であるかを探求してきた。本年度研究では、その成果を基にコンピュータを使った音楽教育の学習計画を立案した。その際に、現在音楽教育の分野で急速に普及し始めている創造的音楽学習の学習形態を参考とした。 現在音楽教育で盛んに行われるようになった創造的音楽学習の主な学習目的は、自由な音楽活動にある。そこで、本研究で目指す自由な音楽活動をこの創造的音楽学習の中に求め、コンピュータがいかにこの活動に関わっていくことができるかを探ることとした。 創造的な音楽活動を考える上で、まずウエーバーの音楽における創造性因子を理論的に検討し、そこからコンピュータによる音楽活動を考えていった。この理論による4つの創造性因子とそれより導きだされた活動は、 1.音楽的拡張性 コンピュータとのリズム問答。コンピュータの伴奏によるメロディー即興演奏。 2.音楽的柔軟性 あらかじめコンピュータに入力された楽曲に自由なルバートをつける。 3.音楽的独自性 自然界のいろいろな動きのコンピュータの音による模倣。歩く音、走る音、飛ぶ音など 4.音楽的統合性 幾種類もの音楽的動機を予め作成しておき、これらの断片を組み合わせて楽曲をつくる。 創造的音楽学習でよく問題となるのは、演奏における技術的問題であるが、以上の活動は、コンピュータが子供の技術的制約を取り除き、創造的音楽学習における、自由な音楽活動をより高度なものにしていく事を可能とした。ここまでの研究成果は、平成4年全日本音楽教育研究会大学部会にて発表した。さらに本年度のまとめとしてこのような学習活動の中から、コンピュータがより有効に働く活動を精選し、学習計画を立てた。
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