1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03801024
|
Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
多田 建次 玉川大学, 文学部, 助教授 (10105083)
|
Keywords | 五人組制度 / 社会教育 / 隣保制度 / 教諭書 / 教諭所 / 五人組帳前書 |
Research Abstract |
教育の分類として、しばしば家庭教育・学校教育・社会教育の3つがあげられる。今日では、子どもの成長過程にしめる影響力では、学校教育の比重が、著しく高くなっていることは周知のとおりである。もちろん他の2つが無視されてよいはずはなく、この3者がそれぞれ有機的に機能しあうことによって、子どもの健全な発達が可能となる。このうちとくに今日では、社会教育は、子どもをとりまく教育環境から、たえて失なわれてしまっている。本研究は、徳川時代の日本において、子どもをとりまく地域社会の教育が、いかなるものであったかを、五人組制度に着目して、とらえなおすことを意図している。従来学会であまり注目されることのなかったテーマだけに、関連研究が乏しく、萌芽的研究の2年度目にあたる本年度も、基本的史科・文献の調査収集と、このテーマの背景となる徳川期教育の再検討、とりわけ地域における教育機能を中心に研究をすすめてきた。調査した機関は、長野県立図書館・長野県史編纂室・上田市立図書館・松本市立図書館・長岡市立互尊文庫・石川県立図書館・金沢市立図書館・彦根市図書館、そして国立国会図書館などである。調査をとおして撮影した膨大な量の古文書類は、キャビネ判に統一して、ファイルに整理し、解読・分析の作業をおこなっている。また収集した図書文献は、『長野県史』民俗編・考古資料編・美術建築資料編・方言編など21冊、『近代日本の生活と社会』『日本の教育とナショナリズム』などである。また近世の社会教育とりわけ地域の教育機能の例として、武士階級の子弟によっていとなまれた自治的な集団訓練の試みを、『学び舎の誕生』として公判した。
|
Research Products
(1 results)