1991 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業における外国籍知識労働者の雇用実態とその意識
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03803006
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
笠原 清志 立教大学, 社会学部, 教授 (80185743)
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Keywords | 外国籍知識労働者 / キャリア、ディグロップメント / 日本型人材資源モデル / 個人主義的行動様式 / 集団的行動様式 / マネジメントの現地化 / 内部労働市場 / 人的資源 |
Research Abstract |
日本企業のグロ-バル化に伴い、外国籍の管理者や専門職といった上級人材の管理をどのように行い、マネジメントの現地化を達成していくかという事は重要な問題となってきている。当研究は、日本企業に採用され、かつ日本で働く外国籍知識労働者の処偶と活用に関する調査研究である。 今回のヒアリング調査(調査要を含む)では、アジア系知識労働者86名、欧米系51名の合計137名の調査を行った。調査項目は24項目で、主に雇用条件、職場の人間関係、将来の人生設計、キャリア意識及び転職意識等である。調査結果によると、アジア系と欧米係に共通した特徴として、彼らのキャリア意識及び個人主義的行動様式とが日本企業において一般的学内部労働市場や集団的行動様式との関係で諸々のレベルでコンフリクトを引きおこしている事が確認された。とりわけ深刻な問題点は、外国籍知識労働者の日本企業への就職動機が多様であり雇用形態も多岐にわたっているにもかかわらず、企業側の制度的対応が不十分である。また、就職ではなく就社するという日本的慣行は、ともすれば雇用条件を明確にしないまま働き始める事を当然としているが、彼らの場合にはその後の処偶関係で多くのトラブルを引き起すことを意味している。以外な発見は、彼らがアフタ-ファイブでの人間関係や仕事上の接待をあまり嫌ってはいないこと、そしと日本への留学経験や日本語修得レベルが、日本的雇用関係や制度の理解に対して正機能をもっていた。
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