1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03804010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉垣 良三 京都大学, 理学部, 教授 (30027338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高塚 龍之 岩手大学, 人文社会学部, 教授 (50043427)
藤原 義和 京都大学, 理学部, 助手 (70199397)
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Keywords | ストレィンジネス / 核物質 / クォーク物質 / H粒子 / バッグ模型 / K中間子凝縮 / 中性子星 / 相転移 |
Research Abstract |
1.ストレィンジ物質の飽和性の検討:ストレィンジクォーク物質(SQMと略記)が絶対安定-原子核よりもエネルギー的に低い状態として存在する-とのE.Wittenの予想の真僞をはっきりさせるため、バッグ模型を用い1グルオン交換効果を無限系でも有限系でも一貫して採り入れる枠組により、1バリオン当りのエネルギーE/Aを求め、そのバリオン数依存性を調ベた。その結果、A=6(1S閉殻)まで数百MeV程度に上昇した先,E/Aは6<A(] SY.ltoreq. [)24の閉殻ではAと共に上昇し、無限SQMの値はその延長上にあることが示された。これにより、絶対安定のSQMは存在しないことを示した。 2.K中間子凝縮相の研究:この凝縮相は、K-NS波の相互作用を通じて核密度Poの3〜5倍の高密度で発現するとの可能性が指摘されているが、その発現機構はまだ充分明らかでない。ストレィンジネスが通常の核物質から生ずるのは弱い相互作用を通じてであることを踏まえ、KNシグマ頂が主要な効果として働いてK凝縮がおこる機構を明らかにした。更に中性子星物質でおこるK凝縮で陽子混在度が密度と共に急増するので直接的URCA過程が可能となるかという問題を考察し、化学平衡条件により電子の化学ポテンシャルの急激な降下のため不可能であるとの結論をえた。 3.qq励起を伴ったバリオン構造:ハイペロン一核子、ハイペロン同士の相互作用の解明に先立ち、バリオン構造を研究した。S波バリオンでは、π放出崩壊幅、中間子-バリオン結合常数、π放出崩壊幅に対するフレーバーSU_3の破れの効果を検討した。P波バリオンについては、LS力効果の見かり上の欠落の謎につき解答を与えた。 4.中性子星誕星直後の高温・高密度核物質の諸相について、特に陽子混在度を対称エネルギーとの関係で研究した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 石井 充(M.Ishii): "One Gluon Exchange Effect on Saturation Property of Strange Quavk Systems in the Bag Model" Progress of Theoretical Physics. 89. (1993)
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[Publications] 玉垣 良三(R.Tamagaki): "A Way to Quark Matter -Possible Intermediate Stages-" Progress of Theorectical Physics,Supplement. 112. (1993)
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[Publications] 武藤 巧(T.Muto): "A Chiral Symmetry Approach to Meson Condensations" Progress of Theoretical Physics,Supplement. 112. (1993)
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[Publications] 高塚 龍之(T.Takatsuka): "Proton Abundance in Danse Superrove Matter" Progress of Theoretical Physics. 89. 551-554 (1993)
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[Publications] 藤原 義和(Y.Fujiwara): "Baryon-Meson Couplings in the qq Pair Creation Quark Model I. -Coupling Constants of S-wave Baryons-" Progress of Theoretical Physics. 88. 933-965 (1992)